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2009年5月18日 (月)

26)、アッ、それは私の自転車だ!(チャージ休暇報告)。Abbas, that's my bike! (Charge vacation reporting)

 イタリアのサンピエトロ広場であろう、宏の自転車が向こうの方にある。 警察の車が2台、その方向に向かってスーッと近付いて行く。 「アッ、それは私のビチグレッタ(自転車)だ~」 と、あわてて走り出そうとして 目が覚めた。 自宅のベッドの上であった。
 昨夜の飛行機は悪天候のため相当激しくゆれて、ほとんど眠れなかった。自宅に帰り着くと挨拶(あいさつ)もそこそこに、眠りこんでしまったのだった。 またウトウトとする。向こうの部屋で妻が誰かに電話をかけているようだ。
「・・、主人ときたら、この1か月の内に、ハガキをたった1枚送ってきただけで、電話一本かけてこなかったんですよ。」 「・・・」(相手の反応はわからない) 「ええ、安心はしました。でも腹も立ちますよ。約束したダイヤのネックレスは無かったし、・・・」
 苦笑いしながら聞いていたが、起きていくのも面倒で、また少しウトウトする。そのまま夜まで眠りこんでしまった。 『 アッ、もう出発の時間だ!』と思って、また飛び起きる。 何か猫のような柔らかいものが足に当たった? 妻の足であった。『そうだ、もう無理やり走り出さなくてもいいんだ。』 と、ホッとする。
 今日は日曜日。『ゆっくり洗濯でもしながら、明日からの会社生活に備えよう。』 そう思いながら、また横になった。 長い長い旅であった。長い夢を見ていたようにも思える。休暇中の出来事だけでなく、自分のこれまで歩んできた人生のすべてが、夢であったかのような気分が残っている。
 何とか無事に我が家に帰り着き、寝不足を解消した宏は、おもむろに荷物の整理を始めた。宿で、その日その日の洗濯をする習慣がついており、汚れ物はそんなに多くない。それでも道中で買い込んだズボンなど、荷物自体はかなり増えている。
 娘が分解式の宏のリュックを見て、「スペインに持って行きたい。貸して!」と言っていた。これも洗ってやることにし、洗濯機に放り込んだ。すべて手洗いである道中に較べ、なんと文明の利器とは便利なものか!
 肌身離さず持ち歩いた手帳を開いてみる。
改めて読もうとすると、判読できない位に汚い字で、量もかなり多くなっていた。久々にワープロに向かいキーをたたき始める。3,4枚打ったところで止めた。『この分では何日かかるか分からない。会社への休暇報告書を先に作成しておかなければ、明日からの仕事に差し障りが出る。』 もうすでに会社人間の思考に戻り始めていた。
チャージ休暇報告 ヨーロッパ自転車縦断の旅
  
  1994年 6月27日 大山宏
 このたびは、チャージ休暇を有難うございました。20才代が終わりかける頃からずっと夢見、半ばあきらめかけていた夢を実現することができました。休暇制度が設けられてから3年以上が経過しますが、その間もこの歳(46才)で、はたして可能かどうか直前まで迷いました。「年甲斐もなく」という気持ちを振り切り、実行出来、本当に嬉しく、心から感謝しております。
 コースはブリュッセルをスタート地点とし、北海をなめるようにオランダ西岸を北上して、アイセル湖北端に到着。ドイツのライン川下流のエメリッヒに電車で移動後、川沿いになんかを開始して、途中フランスを覗き見ながら、スイスのバーゼルに到着。
ジュラ山脈を越えて湖沿いに走り、ローザンヌ・ジュネーブへ。更にモンブランやマッターホルンなどの雪山を横目に見ながらシンプロン峠(2005m)を目指して東進。 自分の誕生日を峠で迎えた後イタリアに入国。アペニン山脈を越えてピサの斜塔をゴールとしました。走破距離:2500Kmです。
 カプリ島でゆっくりした後、ナポリからソレントまで走り、ポンペイ・ローマの遺跡にも触れて、見聞を深めることが出来ました。毎日100Kmの蟻(あり)の動きで地球の大きさと大自然の偉大さ、更には人々の生活環境に身を持って触れていくことは、直接には仕事と何の関係もありません。
 しかし、自分の体力・気力の限界を確かめつつ旅する事、語学力の向上/臨機応変力の向上に努める事などは、何らかの形でこれからの仕事に良い影響があるものと、勝手ながら思っています。
 ドイツ国内では雷を伴う大雨に何回も遭いましたが、他の国では好天に恵まれました。特に帰りのローマからブリュッセルへの飛行機では、素晴らしい快晴で、自分が走り見た山々や海岸線を"上空"から眺めることが出来ました。

 野宿をしたり、アウトバーンを走ったり、洗濯や買い物をしたり、顔色をうかがいながら異国の言葉で値段交渉をする。自分の気持ちを伝え、聞きたいことを聞き出す。こんな人情の機微にも触れながら、有意義なリフレッシュ休暇を過ごすことが出来ました。有り難うございました。
 作成、1994 6/27 Hiro. Oyama
(筆者の私が46才の時の旅の報告書でした
)

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