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2009年5月 9日 (土)

20)、ポー川付近の"小さなお城"にてUncle is near the Po River (Italy) "small castle" in friendly matches.

 ポー川 の上流域を縦断し、宏は一路、地中海を目指している。 日本と見分けのつかない野山が続く。稲穂の畑まである。 たまに教会や"お城"に出くわさない限り、「ここは日本だ」と言われても だまされそうなほど良く似た風景が続いている。
「イタリアは危険な国だ。スリ、泥棒に気をつけろ!」 と、さんざん日本で聞かされて来たが、あれは出鱈目(でたらめ)であった。『"スリ"や"かっぱらい"は、都市部だけでの話なのだろう。』 昨夜の宿探しでも、食べ物を求めて入った簡易レストランでも、会う人々はみんな素朴で親切であった。
 今朝がた、野原のただ中に出現した"小さなお城"の写真を撮ろうと自転車を止めた時、ニコニコと近寄って来たおじさん達がいた。「そっちの方向はアレサンドリアではないよ」 「ありがとう。今あの城の写真を撮りたいんだ。綺麗なお城だね。」
 しばらくイタリア語のレッスンが続いた後、「 付いて来なさい。」 と、手招きしながら、一人が先に立って歩き出した。お城の方角だ。 門の所でペンキを塗っている人がいる。 「この城は近いうちに博物館になるんだ。」 と、何となく言っていることが分かる。
「入ってもいいのか?」 「私は入れるんだ。あんたも入っていいよ。」と中庭に導いてくれた。 内部は小さいながら綺麗な庭である。都会のへたな公園よりマシであった。 紫陽花(あじさい)が咲いている。
 その紫陽花を見た途端に、自分が住んでいる相模原市のことを思い出した。 毎年6月には、この市の道路と言う道路は紫陽花が咲き乱れ、それは見事なものだ。 4月には桜が満開になり、街全体が薄いピンク色に包まれる。
「 これは井戸の跡だ。」と、今では花でおおわれている"四角い台"の解説を、パントマイム付きでやってくれる。 宏はまた異邦人に戻る。

 その城の近くには朝市が立っていた。 そのオジサンは、どんどん宏の腕を引っ張って市場の方に歩いて行く。 「これはおいしいよ」と、切り割った果物の匂いをかぐ仕草をしてみせる。その仕草で"メロン"だと分かる。値段交渉までしてくれる。 他にもサンダルなど日用品を買い込み、そのオジサンとは別れた。
そのメロンは確かに美味しかった。『 あの市場付近で、あのオジサンと一緒に食べればよかったな。』 と、後で思った。

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