« 第22話、”HID光源は、ロシア人形マトリョーショカ?” | トップページ | 第24話、”立体角とは 一体何ぞや?” »

2009年6月14日 (日)

第23話、”鳥肌が立つ話”、(グラフ化・近似式化)

先日(第21話)で、フィラメントコイルをイメージ観測してもらいました。それを式で表すと、複雑怪奇な式になります。(鳥肌が立つ方もおられそうなので、その式を提示するのは止めました。)

(この式は)30年前に、実験計画法を駆使して取ったデータから、割り出したものです。今日は、その式をどのようにして割り出していったかに関して、御紹介をさせて頂きます。

要は、『データをグラフ上にプロットし、それに近似式を当てはめて整理』していったのです。「最小2乗法を当てはめたの?」 ⇒ 違います。最小二乗法の観点に立ちつつ、もっともらしい式を割り付けていったのです。

「もっともらしい式はどうやって?」 ⇒ どこにも書いてありません。自分の頭で現象を分析し、『この現象に対して最も適切な式の形はこうだろう、、』と想像し、当てはめていったのです。想像するやり方・考え方は、第20話・21話にて既に紹介しました。

ファソラシドれみふぁ・・・

は覚えておられるでしょう? 先に『こうなるはずだ。』と予測してから、グラフ分析にかかるのです。

「データがバラバラなので、何処から手を付けていいのか分かりません。」 ⇒ 大きな傾向から取り除いていくのです。例えば、COS(θ)に近いカーブの"大傾向"をまず、式化して、データから取り除くのです。残ったデータは、特殊減衰振動のデーターでしょう?

「COS(θ)を割り当てたけど、減衰振動データにならない?」 ⇒ COS(θ)カーブを機械的に当てはめたのでは駄目です。減衰振動が残るように、近似式カーブを"手書き"して見るのです。その"手書きカーブ"に近い式の係数を割り出していくのです。

COS(θ)に近い近似式としては、Y=C1*θ^8 + C2*θ^6 + C3*θ^4 + C4*θ^2 + C5 位が、適当でしょう。( 「θ^8」は、θを8回掛ける印です。) この式は左右対称形の性質を持っています。(奇数回の掛け算では、グラフに"非対称性"が現れて来ます)。

「減衰傾向は現れて来ましたが、データがバラバラです!振動傾向なんて、とても取り出せそうにありませんが・・?」 ⇒ そこを取り出すのです。いや、取り出せるように、実験計画法を用いて、計画に組み込んでおくのです。

ということで、やっと、"実験計画法"の話にたどり着けました。 コイルの視面積の変化は、次の 3つの"無次元数"の内の2つを決めることで、捕えることが出来ます。

(UCL/CL) : 巻き込んである素線の長さ(UCL)を、コイル長さ(CL)で割った値(無次元数)

( MD/d )  : コイル内径(MD)を、素線径(d)で割った値(無次元数)

(PP/100)  : ピッチ%(PP)を小数表示した値(無次元数) = コイル1ピッチを素線径で割った値( 密着巻きの時は PP/100 =1 )

《 3つの内の2つを決めると、残りの一つは自動的に定まります(詳細は別途)。》

この影響が現れるように、実験計画しておけば、結果として、"特殊減衰振動"が取り出せるという訳です。

私は、6つの組み合わせを作り、各10本、合計60本のランプを試作させてもらいました。その各10本のうち、姿形の整った最高出来栄え品(各2本)を配光測定したのです。このように予め計画し、試作・測定したデータでしたから、"グラフ分析・近似式化"によって、特殊減衰振動の近似式が作り出せたのでした。

皆さんが用いられている配光シミュレーションのソフトにも、組み込んであります(白熱電球はハロゲンランプの話でした)。貴方の現在のお仕事とは直接関係もないような古臭い話で、少々恐縮でしたが、"近似式化・グラフ分析"というテクニック(思想)をご理解頂きたく思い、紹介させて頂きました。

|

« 第22話、”HID光源は、ロシア人形マトリョーショカ?” | トップページ | 第24話、”立体角とは 一体何ぞや?” »

Light 光技術の話・・21-40・「灯具内で光が曲がってる?「演色性・立体角・疑似光源」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第23話、”鳥肌が立つ話”、(グラフ化・近似式化):

« 第22話、”HID光源は、ロシア人形マトリョーショカ?” | トップページ | 第24話、”立体角とは 一体何ぞや?” »