« 第27話、”凹レンズ用反射鏡” | トップページ | 第29話、”円筒像を並べる簡便なCATIAシミュレーション” »

2009年6月14日 (日)

第28話、”LEDヘッドランプの指向特性:ラグビーボール”

「LEDヘッドランプにおいても、リフレクター系の光学部品は横長になるの?」という質問を、以前にある方から頂いていました。これまでのお話(1~27話)は、ハロゲンランプとか、放電灯(HID)ランプを使うことを、"暗黙の了解事項"として、お話してきました。

この方の質問にお答えするためには、「LED光源の指向特性が、ハロゲンやHIDとどう違うか」に関して、お話する必要があります。

既にお話したように、ハロゲンやHIDは、長さ:4~5mm、直径1φ程度の円柱光源(略線状光源)として扱えます。その指向性強度分布を、地球儀みたいな見方(経度緯度)で立体的に捕えると、"リンゴ"のような形になります。《 北極・南極方向が、縮み込んでいる強度分布です。》

これに対して LEDは面状光源であり、その指向特性は正面方向(仮に北極方向に強い光が発せられ、赤道面に近くなるに従って急激に出力が落ち込み、[ 背後の南極方向には光が出ない ]という指向特性分布を持っています。

あえてその形状を言えば、"ラグビーボール"のような形状です。(サッカーボールに近いかも、。ある人達はこれを"ランバーシアン"という言葉で呼んでおられます。)リンゴとの対応で説明すると、リンゴを真半分に割って、その半分を"ラグビーボール"で置き換えたような形状といえば、イメージ付きますか?

LEDは面状光源であり、本来は小さなチップ(0.3mm x 0.3mm程度)です。ヘッドランプ用への適用が検討され始めてから、[1mm x 1mm角]のチップを4つ並べて光源とする方法が定着して来つつあります。全体で、[1mm x 4~5mm]の大きさです。《 それが適切かどうかは別として、円柱光源サイズに似せてあるのです。》

前置きが随分と長くなりましたが、LEDでリフレクター系のヘッドランプを造る場合、そのリフレクター方向に"ラグビーボール"を向けます。LED光源からリフレクターまでの平均距離が"平均光路長"(第1話)であり、光源サイズが似通った寸法(≒1φ x 5mm)にしてあるので、"平均光路長"は、50mm程度以上が必要です。

それ故に、『LEDにおいても、リフレクター系ヘッドランプでは、横長になる。』 と考えてよさそうです。

リフレクター系では奥行きは薄くできます。これに対して凸レンズ系では、凸レンズの背後方向に、どうしても光路長程度の長さは必要となります。

光源がLEDの場合であっても、その傾向は同じなのです。ご納得頂けたでしょうか?

|

« 第27話、”凹レンズ用反射鏡” | トップページ | 第29話、”円筒像を並べる簡便なCATIAシミュレーション” »

Light 光技術の話・・21-40・「灯具内で光が曲がってる?「演色性・立体角・疑似光源」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第28話、”LEDヘッドランプの指向特性:ラグビーボール”:

« 第27話、”凹レンズ用反射鏡” | トップページ | 第29話、”円筒像を並べる簡便なCATIAシミュレーション” »