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2009年6月14日 (日)

第30話、”虚像と実像”(HID新2灯式)

- お化けにも人格あり。平等に扱われるべき!-

わざとセンセーショナルな副題を設けてみましたが、お化け(ファントム)とは"虚像"の事であり、"像"の事を人格表現してみたのです。 貴方は他の人の眼には実像として認識されていますが、一方あなた自身は手鏡などで自分自身を、"虚像"として認識しています。

貴方のそばに置いてあるローソクの炎も鏡に鏡に映っており、貴方の眼には、あたかも鏡の中で、ローソクが燈っているように見えるでしょう。これを、疑似光源と呼び、その疑似光源からの光を実光源(手で触れることが出来る光源)と同様に、反射させたり屈折させたりして扱うことができます。

以前に反射光像を"てんとう虫"になってもらって軽く触ってもらったことがありましたが、あれは"実像"でした。雲みたいにふわふわして手がすり抜けてしまいましたが、あの手をそのままそこに留めていると、火傷(やけど)をしていたのです。そこに実際に存在する"物"があった証(あかし)です。

この"実像1"を手鏡の手前に造ると、鏡の奥には虚像ができるのは当然なのですが、この"実像1"となる光を手鏡の奥に送り込むと、鏡の奥には"虚像1"が出来、その"虚像1"の反射光像("実像2")が手鏡の手前に出来ることになります。

2灯式ヘッドランプの場合、配光パターンを(走行[Hi]時とすれ違い[Lo]時とで)切り替える必要があります。ハロゲン電球の場合には、2つのフィラメント光源を(同じバルブ内に)設けることが出来、簡単にHi/Loを切り替えることができたのですが、"HID"は放電灯であり、光源は1本しか設けられません。

そこで楕円反射鏡で疑似光源を造って置き、その一部を隠すか隠さないかによって、配光パターンを切り替える方式のものが、2灯式プロジェクターヘッドランプとして一般化しています。

この「一部を隠すか隠さないか方式」の最大の長所は、"簡便"である事に対して、最大の欠点はというと、常時使用しているLoビームが、隠している分だけ暗いヘッドランプになっている事です。

何を伝えたかったか? それは、Loビーム時に最大(最適)出力が出る2灯式HIDヘッドランプの可能性についてです。

反射光像でLoビームを造って最大(最適)出力を出しておき、Hiビーム時には、シェード(遮蔽・遮光板)を開くと同時に、反射光像(実像)の位置を"上から"反射板で押しあてることで、移動させるという 新しい方式の2灯式ヘッドランプの可能性 が出て来た事なのです。

もう少し詳しく言うと、"上から"押し当てた反射板(鏡)の奥に、反射光像を送り込むと、鏡の前(下側)に、その光像(実像)が、飛び出して来る という事です。下側に像が移動したのですから、スクリーン像は、上方に移動する(即ち、Hiビームパターンが得られる)ことになります。

すれ違いビーム配光は、スクリーン下方に大きく広がっていますが、反射板(鏡)の反転作用によって、"スクリーン上方"への大きな広がりに切り替わっていることも、長所として挙げることが出来るでしょう。

国内を走る9割以上の車は、Loビームで走っています。

滅多に使わないHiビームが明るくて 常時使用しているLoビームが暗いランプ』 に対して、

常時使っているLoビームが、Hiビーム並みに明るいランプ』の方が、社会正義性が高いということは自明でしょう。

虚像という"お化け"にも実像と同じ人格を与え実像と同等に扱うと、こんな変わったランプが飛び出して来るのも、ファントムフード(お化けフード)の面白さです。

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