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2009年6月15日 (月)

第31話、リフレクター式に変えれば眩しさは5分の1に!

何年か前の展示会でのお話です。『・・(昨年の)株主総会で、一般の人から質問があって、最近のヘッドランプは、まぶしくてしょうがない。貴方の会社だろう、あの眩しいランプを作っているのは。なんとかならないのか?との意見が出た。』と、ある方から聞かされました。

多分凸レンズを用いたプロジェクター式のHIDヘッドランプのことでしょう。しかし、光束量が増えたから、グレアーも増えるのだと、単純に考えていいのでしょうか?グレアー規制(規格)に関しては、ハロゲン電球光源も 放電灯HID光源に対しても同じはずであり、その規制内にあるなら眩しさも一緒のはずなのですが、どうして"凸レンズ式HID"はまぶしく感じられるのでしょうか。

無謀運転者が多くて、すれ違いビームで対向車線側が「より明るく見えるように」と、ビームを上げている習慣の下でならば、当然、《光束量が3倍になれば、まぶしさも3倍になるであろう》 と推測されますが、これとは別に(まじめに技術的に)その原因を考えてみたのです。

答えはありました。"輝度の問題"でした。高校の物理の参考書を引っ張り出してみると、

輝度 : 同じ光度の光源でも、光源の面積が小さいほど、輝度は高く、まぶしい。この輝きの程度を表すのに、光度をある方向から見た、見かけの単位面積当たりの光度を"輝度"といい、cd/cm^2 で表す。

とあります。光源の面積が小さくなると、眩しさは増えるのでした。最近のランプは小型化傾向にあり、特に凸レンズ式のプロジェクターは、レンズ径が50~60φ程度と小さく、リフレクター式の従来サイズ(約140φ)と較べると、面積比で”5倍強”の輝度差となります。歩行者や対向運転者がまぶしく感じるのは、当然と言えます。

大よその話ですが、人の感覚は、2割の変化(差)に対しては、"差"として認識しないものなのです。しかし、3割の変化(差)があると、これは明らかな変化として暗くなった、明るくなった、眩しくなった、と判断するようです。2割で緯度の変動を一々気に留めて(認識して)いたら、自然現象の中で生きていくのに、不便だったのでしょうね。

この許容値の2割と比較して、5~7倍の眩しさ変化は、明らかに受け入れがたい異常な変化であり、『最近のランプは、まぶしい、なんとかならないのか。』と非難を受けてもしかたがないという気がしてきました。

どうしたらいいのか? 規格をもっと厳しくすべきなのでしょうか? 駄目なのです。カットオフは明暗の差が有り過ぎると、運転が非常にやりにくくなります。ランプメーカーに取っても、ヘッドランプ生産が出来なくなる可能性さえ出て来ます。

そこで、うまい解決方法が有ります。(我田引水的になりますが)、リフレクタータイプに戻すのです。すなわち、面積を小さくしたから眩しくなった。眩しくなくするには、面積を元の140φ程度に戻せば、眩しくなくなるのです。

TOMCAT(トムキャット)、ハイブリッド、更にはエンライトン・エコライトンというリフレクター主体のランプなら、140φ程度以上の面積全体から光がほぼ均等に発散されるので、光束量は増えても、まぶしくない、目に優しいヘッドランプとして社会貢献できるのではないでしょうか。社会問題化する前に、リフレクター式に切り替えたいですね。

(書いている私の歯が浮きました。でも"目に優しい"のは リフレクター系のメリットですね。)

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