第32話、”伊達メガネ方式ヘッドランプ”
伊達メガネというのは、ご存知のように凹凸の無い素通しメガネの事です。あるいは、メガネの縁だけがあってレンズが無く、指が通ってしまうメガネの事ですね。ファッション性だけで見ると、これで結構格好良く見えたりします。
最近のヘッドランプはプロジェクターばやりで、あの分厚い凸レンズのギョロメ感を減ずるため、メガネの縁(周り)のファッション性改善も進歩して来ました。その進歩した”ファッション”のみ、ヘッドランプに残す事を考えて見ましょう。
先日お話した第27話、”凹レンズ式ヘッドランプ”を思い出して下さい。250mm程度(明視距離)にあった反射光像を、凹レンズで25m先に移動したのが凹レンズ式ですが、楕円反射鏡からの反射光像を、直接、25m先に形成すれば、凹レンズは”ただの平板”で済みます。その平板も取り除けば、『 メガネの縁(ファッション)だけが残る。』という理屈です。
完全透明な平板でも、透過率は0.9程度ですので、これを取り除くだけで、ランプ出力が1割UPするという理屈になります。《 メガネの縁は残してあるので、透過率100%の”非常に綺麗に磨かれたレンズ”があるように見える!》
非常に興味の持てるお話でしょう?近眼の人が掛けているメガネ(凹レンズ)は肉厚も少なく、光路をホンの少し変えているだけなので、その程度の光路修正なら、楕円反射鏡(2軸楕円)の方で、賄えるのです。
もっと良い事があります。それは、「”重たいレンズを保持しなければならない”という束縛から解放されて、”メガネ縁のファッション性”の追求がやりやすくなる!」という点です。伊達メガネ方式の利点を整理して置きましょう。
| 固定リンク | 0
« 第31話、リフレクター式に変えれば眩しさは5分の1に! | トップページ | 第33話、”ランプ灯具内部で、光が曲がっている?Episode 33, "Lamp light fixture inside the bent light?" »
「Light 光技術の話・・21-40・「灯具内で光が曲がってる?「演色性・立体角・疑似光源」」カテゴリの記事
- 第40話、”光の質?”(演色性)"Quality of light" (CRI:"color rendering index, Ra")(2009.06.16)
- 第39話、ハロゲン H・I・D L・E・D のコスト比較(2009.06.16)
- 第38話、熱対策を主眼に置いた[ L・E・D ヘッドランプ ](2009.06.16)
- 第37話、Zビームパターンの後続車輌が眩しいのでは?(2009.06.15)
- 第36話、”グレアー光で演出するヘッドランプ”(2009.06.15)
コメント