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2009年11月11日 (水)

カプリ島に来てしまった。----(写真追加)

 眠かった。安上がりだとは言っても夜行列車は疲れるし、充分な睡眠は取れていない。身動きできないほどの交通渋滞に飽き飽きして、王宮前の公園ベンチで仮眠を取った。「どこか静かな所でゆっくりしてみたい」と思っている内に、衝動的に船に乗ってみたくなった。
 大きな観光船が出入りするナポリ港は、すぐ近くにある。これまでケチケチしてきた反動で、宏はジェット高速艇に乗り込んだ。当時1000リラ≒80円で、片道 2400円。 自転車持ち込みのために、2人分の券を買わされてしまった。
 ナポリの近くに"ベスビオ山"がある。一瞬のうちに古代の都市ポンペイを滅ぼしてしまったというその山を、海から眺めてみたい。
島からはソレントに回り、そこから海岸線に沿ってポンペイの遺跡に立ち寄りながらナポリに帰ってくるという"にわか計画"だった。
 生憎(あいにく)と薄雲が出ていて、ベスビオ山はクッキリとは見えなかったが、世界的に有名な観光地を結ぶ高速艇の中である。案内書通りの眼を見張るような美人、スクリーンから抜け出して来たかのような ソフィアローレン張りのセンスの良い女性が、長い金髪を風になびかせていた。

 到着した島は"カプリ島"であった。小さな絶壁の孤島が近づくに連れて、『えらい所に来てしまった。』という自責の念にかられた。『このまま引き返そうか?』とも思った。
 自転車とは無縁の島ではないか、という"恐怖"が背筋を走ったのだ。
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 まあ、せっかく来たのだからと思い直し、一泊して帰ることにした。
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6月21日、 柔らかなベッドの上で目が覚めた。ナポリ近くにあるカプリ島のガトビアンコ(Gatto Bianco:白い猫)というホテルだ。年齢相応で、分不相応なホテルであった。そもそもが、島に渡ろうなんて思いつきで、切符を買ったのが間違いの始まり。自転車持ちなので2倍の料金を払い、ジェット高速船に衝動的に乗ってしまった。

『そのまま引き返すのはシャクだからと泊まったのがこのホテル。島の中腹に位置するこの有名なホテルは、島住民の誰もが知っていた。本日この島には、日本人は私だけだろう。とにかく眠かった。昨夜は夜行列車であり無理からぬ。島の坂を登った疲れもある。随分と暑い日だった。

『夕方、ごそごそと洗濯などを始めたが、陸に上がったカッパ同然で身動きが取れない。元々が自転車の無い(?)島なのである。タクシーとバイクが幅を利かせて走っている島。小さな島のくせにフニコラーレ(登山鉄道)が港と岡の上とを結んでいる。』

しかたなく今日は自転車を置いて、歩くことにした。

両手がしびれている。むくんでいる。毎日の振動で、自転車もカメラも相当の衝撃・衝撃を受けているのであろう。 とうとう日本から持ち込んだタバコが切れ、Marlboro を購入した。島のタバコ屋は少なかった。タバッキーと呼ぶらしい。

『ヨーロッパに来てほとんど見かけなかった散髪屋が目に留まった。イタリア北部で一度、本格的に探したが見つからず、あきらめていた散髪だ。"散財"ついでに入った。
 意外に安かった。(1600円位)。鏡に映る明るい海を眺めながらのヘアーカット。ここの散髪屋のおじさんは英語が話せた。』

 夕食を簡易レストランで済ませ、宏は島の端までぶらついてみた。"端"というのが300メートルはあろうかという絶壁であり、その絶壁にへばりつくように取り付けられた道だ。遥か下方にエメラルド色の海が見え、歩いていても少し恐い。
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 夕日は沈みかけていて島に灯がともり、綺麗な夜景に変わっていった。
13夜(いざよい)の月が出ている。
思えば満月の日に旅を始め、次の満月の日に終える。宏に取っては長い長い旅であった。
 充分に旅を満喫できたチャージ休暇であった。

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W・ヨーロッパ縦断自転車の旅「僕の前には道はない」(写真)」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
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ご迷惑だったらすみません。突然、失礼しました。
dfwNEsY3

投稿: 相互リンクのお願い | 2009年12月16日 (水) 07時21分

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