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2009年11月13日 (金)

旅の終わり(前篇完)

ナポリからカプリ島に向かう高速艇より、後方ナポリを見ています。Photo_26
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色が変なのは、フィルムの画質のせいかな?
Photo_28
ベスビオ火山の裾野、ポンペイの遺跡の中、円形競技場跡。ちょっと眩しかったようです。



ポンペイの遺跡のワンショット1_4
V1
思い出の一枚です。レマン湖からブリッグ目指して走っています。後方に雪山が連なっています。ずーとこんな景色!

 宏はその後数日を、ナポリ・ローマ辺りで過ごした。 観光の島"カプリ"で少し贅沢してみたり、散髪したり、ソレントからナポリへの途中でポンペイの遺跡に立ち寄ったりしながら、日程調整し、予定通り 6月24日朝、ローマ発ブリュッセル行きの飛行機に乗り込んだ。

窓側の席に座って外を眺めている。 飛行機は一旦海上沖合いに出、それから海岸線に沿って北上を始めた。 空は雲ひとつない快晴で、いくつかの島も海岸線も、まるで航空写真のごとくに、くっきりと見渡すことが出来た。

後ろにベルギーの娘さんが座っていて盛んに歓声を上げ、宏に話しかけて来た。フランス語はあまり良く分からないが、こちらは英語で感動をしゃべる。 お互いに窓の外を見つめながら!感嘆!の声を上げている。

見たことのあるような海岸線が現れて来た。 大きな半島が海に向かって突き出ている! 宏が苦労して越えたラスペチア付近の海岸だった。 「 飛行機は現在、ジェノバ上空を飛んでいます」と、機長のアナウンスが入る。

その通りであった。 この海岸線を走ったのだ。 このアペニン山脈を越えて来たのだ。 向こうの方に大きな湖が、幾つか見える。 イタリア北部の湖であり、そのほとりを走った記憶が蘇(よみがえ)る。 高い山々、雪山が現れる。

『 アルプスだ!』 入道雲が巻き起こり、山々の立体感を増している。視界を妨げない適度な雲であり、遠くの谷深くまで見渡せる。 宏は機内雑誌の航路地図を広げてみた。『 ローマ・ブリュッセル間を結ぶ航路からすると、そろそろ"レマン湖"の上空に差し掛かるはず・・』 と思っている内に、特徴あるV字形の谷が 現われてきた。 谷に沿って道路がくっきりと識別できる。幅の広いのが高速道路、並行して走っているのが、宏の走った一般道路だ。

また機長のアナウンスが入る。「ただいま我々はモンブラン上空を飛んでおり、まもなく本機は、ジュネーブ上空に差し掛かります。この湖はレマン湖 ・・・ 」

期待もしていなかった事だが、その飛行機は上空1万メートルの高さより 素晴らしく澄んだ好天の下で、宏の走ったスイス・イタリア間のコースを見せてくれた。 偶然とは とても思えなかった。『何か大きな力が働いて、大自然が自分にプレゼントしてくれたのではないか』 と 思った。

ジュネーブからはフランス上空を飛び、ライン川 こそ見えなかったが、それでも小さな家々、街、森、畑・・と、上空からの景色は存分に楽しめた。 『 つくづく自分はラッキーな男だ。』 と思った。

ブリュッセルであわただしく乗り継いで、今、宏は成田行きの飛行機の中にいる。隣には「目白に住んでいる」という年配のご婦人が眠っている。 ガタガタと、ひどく揺れる飛行機だ。 出発も30分以上遅れた。ふと、自分の自転車の事が気にかかる。

『 ブリュッセルで首尾良く、この飛行機に"積み替え"られたかな?』 またガタガタと大きく揺れ、隣のご婦人も目を覚ましたようだ。急にシートベルト着用のサインが点灯し、ちょっと周囲が ざわつき始めた。 アナウンスがあった。しかし宏は、自分でも不思議なほどに落ち着いていた。

もう何が起こっても満足である。が、出来る事なら、許されるなら、無事に日本に帰り着きたい。」 最後にそう書き留めて、日記と撮り終えたフィルムをビニール袋に仕舞い、少し膨らませたままチャックを閉じた。それをウエストポーチに納めてから、おもむろに前傾姿勢を取った。
 耳がツーンと鳴った。 (前篇 完)

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コメント

I want to quote your post in my blog. It can?
And you et an account on Twitter?

投稿: neonaft | 2009年12月26日 (土) 00時10分

Please quote it in your blog. I cannot anderstand the sentence " et an account on Twitter". what the meaning?

投稿: Hiro | 2009年12月26日 (土) 19時00分

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