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2009年11月28日 (土)

制服警官の職務質問、チョコ・ウエハスのお爺さん

バーゼルは、スイス・ドイツ・フランスが国境を接する町で、ライン河畔にモニュメント(ドゥライ・レンデ・レッケ)が立っている。 何の変哲もない低い塔であり、がっかり。 それはともかくとして、三か国が近い地点であり、この日一日で、3ヶ国の警察官と出会った。 次の話は、アウトバーンを走っていて ドイツの警察官に職務質問 された話。
Photo_33
 国境に架かる橋を渡って、バーゼルの看板に従いながら勢いよく走り込んだら、"またも"アウトバーンに紛れ込んだ。("またも"、と付けるのは、これで3回目だから)。 『 まあいいや。多分、アスファルトの2車線が高速道路で、端のコンクリート道路が一般道路であろう。』と、勝手な解釈をして走っていると、黄色っぽい(日本で言う道路公団の)車が、追い越した先、百メートル前方でストップした!

『 やられるな 』と思ったら、案の定、「ここはアウトバーンだ。この道とライン川との間に、自転車が走っていい道がある。次の休憩所で出なさい。」と、きついお叱りを受けた。
 「危ないので後ろを伴走してあげよう」。 しかたなく宏は前を走る。
黄色い車は後から付いて来る。
休憩所に着き、示された方向に走って行く。事件はこの後である。
別れ際に(よせばいいのに)、「そっちの道はデコボコのみちじゃないのか?」と、渋ったせいかも知れない。
 ライン河畔に出た。
何人かの人が、のんびりと散歩を楽しんでいる。
宏はそのまま少し進んだ所で自転車を止め、川岸で休息していた。
自転車との距離は50メートルばかり離れていた。
 そこに来た来た、パトカーが唐突に現れる。

 ゆっくりと宏の自転車に近付いて行き、停まった。
制服警官が二人、ニヤニヤしながら宏の方に近づいて来る。
 二人共、ガッシリとした体格で背も高く、迫力 がある。

「私か?」
「そうだ。アウトバーンを走っていたのは、おまえだろう」
「そうだ。」と、正直に答える。
「どこから入った?」
「フランス側から橋を渡って来て、紛れ込んでしまった」
「6マイル(約10キロ)走っているぞ」 と、笑いながら言う。
笑ってはいるが隙がない。
腰にぶら下げているピストルがちょっと気にかかる。
「どこから来たか・・(と続いた後)、パスポートを見せろ」と来た。
「はい。はい。」と言って差し出す。

 一人がパトカーに戻って電話でチェックしている。
待っている間、宏はもう一人の警官と、「ドイツの天候は変わり易い。朝晴れていても、突然大雨だ。・・・」と、世間話をしている(沈黙が妙に怖かった)。

 ベルギーでしか入国審査をしていないのに身元確認がもう済んだ様子で、警官が戻ってきた。
「OK!」
「ヨーロッパでは国境を越えてもパスポートチェックされたことが1回もなかった。通用するのかどうか不安だった。サンキュー」 と言って、例のセブンスターを一箱差し出した。 《 笑って受け取っていく警察官。》
後で、たばこの残りが少ないことに気が付き、『 やるんじゃなかった。』と思ったが、後の祭り。 何処かで落としたらしい。
 他にも6ヶ国語の会話集もなくしているが、この時には、まだ気が付いていない。
紛失物と言えば、2,3日前に買ったばかりの財布を落とした。
『 財布を拾った奴は、初め喜んで跳び付き、後でがっかりしただろうな。何にも入っていないのだから。』と、酸っぱいブドウのイソップ狐のごとく、自分に言い聞かせた。

凄いお爺さんに会った。65歳・・』
荷物を込めて50Kgの自転車に乗り、20年間で4万キロ以上を走っていると言っていた。
このお爺さんに会う直前(警察官に職務質問を受けた直後)に、セルフタイマーで自分の写真を撮った。
 そこにこの面白いお爺さんが現れる。
 65 話がはずみ、互いのカメラで撮りあった。更に通りすがりの3人が加わり、またまた話に花が咲く。
結局、5人でまたまた写真を撮った。(フィルムの残り本数が少々気にかかる頃ではあったが、、)
Photo
『 ようやく本日の洗濯も終わった。 既に23時30分。 少々(?)お腹は空いているが、今夜の夕食はチョコレートの"かけら"と、昼間会った自転車お爺さんがくれた「チョコ付きウエハス」で我慢する。
もう眠くてしょうがない。
明日はスイス入りし、ジュラ山脈を越える。
 少々日程が遅れているので、峠越えの近道をしよう。 南に下ったせいか、もう外は真っ暗だ。』

夢中
 生まれてこのかた、家庭でも会社でも宏は気難しい奴、取っ付きにくい奴で通っていた。本人はそうは思っていないのだが、真面目一本の態度がそういう見かたを誘っていた。
 高校時代のある日の教室で、空間の一点を見つめたまま、また何か考え込んでいる。
付近に居た、2,3人の同級生が「(邪魔になるといけないから)あちらに行きましょうよ」と言い合って去って行く。
『違うんだ。ゴメン』と、頭の隅で思うのだが、言葉や行動にならないまま(いつの間にか)また考え事に引き込まれていく。そんな自分を『馬鹿な奴。損な奴』と思いつつも、
『それでいいんだ。これが自分なんだ』とも思うのである。

 とにかく誤解を生み易い行動の持ち主であった。
妻からは、「話を聞いてくれない」とグチられ、娘からは
「お父さんはシカト(無視する事)が上手い」と、からかわれる宏であった。
 そんな熱中症の宏は今、旅に夢中である。

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