« イタリアへ"ボナセーラ( こんばんわ )" | トップページ | 港町ジェノバで危険な野宿 »

2009年12月 5日 (土)

イタリアの小さなお城にて

 ポー川 の上流域を縦断し、宏は一路、地中海を目指している。 日本と見分けのつかない野山が続く。稲穂の畑まである。 たまに教会や"お城"に出くわさない限り、「ここは日本だ」と言われても だまされそうなほど良く似た風景が続いている。
「イタリアは危険な国だ。スリ、泥棒に気をつけろ!」 と、さんざん日本で聞かされて来たが、あれは出鱈目(でたらめ)であった。
『"スリ"や"かっぱらい"は、都市部だけでの話なのだろう。』
 昨夜の宿探しでも、食べ物を求めて入った簡易レストランでも、会う人々はみんな素朴で親切であった。
Photo_9
 今朝がた、野原のただ中に出現した"小さなお城"の写真を撮ろうと自転車を止めた時、ニコニコと近寄って来たおじさん達がいた。
「そっちの方向はアレサンドリアではないよ」
「ありがとう。今あの城の写真を撮りたいんだ。綺麗なお城だね。」

 しばらくイタリア語のレッスンが続いた後、「 付いて来なさい。」 と、手招きしながら、一人が先に立って歩き出した。お城の方角だ。
 門の所でペンキを塗っている人がいる。 「この城は近いうちに博物館になるんだ。」 と、何となく言っていることが分かる。

「入ってもいいのか?」
「私は入れるんだ。あんたも入っていいよ。」と中庭に導いてくれた。
 内部は小さいながら綺麗な庭である。都会のへたな公園よりマシであった。 紫陽花(あじさい)が咲いている。

その紫陽花を見た途端に、自分が住んでいる相模原市のことを思い出した。
毎年6月には、この市の道路と言う道路は紫陽花が咲き乱れ、それは見事なものだ。
 4月には桜が満開になり、街全体が薄いピンク色に包まれる。

 「 これは井戸の跡だ。」と、今では花でおおわれている"四角い台"の解説を、パントマイム付きでやってくれる。 宏はまた異邦人に戻る。

 その城の近くには朝市が立っていた。
そのオジサンは、どんどん宏の腕を引っ張って市場の方に歩いて行く。
「これはおいしいよ」と、切り割った果物の匂いをかぐ仕草をしてみせる。
その仕草で"メロン"だと分かる。値段交渉までしてくれる。
 他にもサンダルなど日用品を買い込み、そのオジサンとは別れた。

そのメロンは確かに美味しかった。
『 あの市場付近で、あのオジサンと一緒に食べればよかったな。』 と、後で思った。
Photo_10
Photo_11 「メロンが美味しいよ」と、パントマイムしてくれたのは、左のおじさん。絵筆を持っているのは改装中の方。

|

« イタリアへ"ボナセーラ( こんばんわ )" | トップページ | 港町ジェノバで危険な野宿 »

W・ヨーロッパ縦断自転車の旅「僕の前には道はない」(写真)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: イタリアの小さなお城にて:

« イタリアへ"ボナセーラ( こんばんわ )" | トップページ | 港町ジェノバで危険な野宿 »