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2009年12月 9日 (水)

イタリア ピサの斜塔(写真)

 暖かい夕暮れ の駅前広場。 宏はベンチに腰掛け、ナポリ行きの夜行列車をぼんやりと待っている。満足感はあった。充分な達成感に満たされていた。出発時間には まだ5時間以上あり、引き返して"ピサの斜塔"のそばで過ごすことも可能であった。
しかし、それはしなかった。
引き返さなくてもその情景は眼に焼き付いていて離れなかった。それほど強烈な印象を 白亜の寺院 から受けていた。
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 斜塔は
予想外に大きな建物であった。それが天に向かって斜めにそびえ立っている。それだけではなく建物は他に2つあり、それらが一体となってこれまでに見たことのない形の白く美しい寺院を形成している。

そこで2時間近く過ごしたのであるが、飽きなかった。写真も沢山撮ったが、キツネにつままれていたような気もする。
今行ってみたら「消えて無くなっていた」というようなことが起こりそうにも思えて、引き返さなかった。

 自転車はすでに折り畳んでバックに仕舞い込んでおり、リュックが一つ側にある。
付近にはベンチが幾つかあって、列車を待つ人々がイラつく様子もなく、過ぎゆく夕暮れを楽しんでいる。
 宏の横にも何人かの人が、入れ替わり立ち替わり座ってくる。
どちらからともなく話は始り、ピサの良さ、旅の良さ を語り合う。
自分の出身地の話をしていく。
 そして時間が来ると、"さよなら"をする。

 一人に戻るとまた思い出にふけったり、日記を取り出して何か書き留めたりしている。
『 意外に早く時間が経って行く。日本から持ち込んだタバコの残りが少ない。あと一箱あるだろうか?』 この3本が最後かもと思いつつ、ヨーロッパを汚すまいという信念で捨てないでケースに保持していた"吸いくさし"4本を取り出した。"しけモク"だ。
こんな事を書いている最中に「一本くれ。」と言う中年のおじさんが来た(多分乞食である)
身なりは悪くないので「やろうか」とも思ったが、なにせ残りわずかだ。
笑いながら、"吸いくさし"の並びを指差して『オーノウ( OH NO!)』のジェスチャー。
 タバコ吸いも困ったものである。
『 自転車を愛する人の多くは、タバコは良くないという信念を持っておられるようで、私のようなヘヴィースモーカーは少なかった。それでも段々と吸う本数が減り、一日10本程度までに減った。止めればいいのに、とうとう"ピサ"まで来た。まあここまで来れたのだから、タバコも「よし」としようか。』

 退屈はしていなかった。旅の満足感に浸っていた。 水は噴き上がってはいなかったが、大きな噴水が正面に見える。そのほとりで(彼女達も夜行列車を待っているのであろうか)、中学生20人位が、歌ったりしゃべったり、動物の鳴き声をまねてふざけ合ったりしている。
 その明るい笑い声は、ピサ駅前の雰囲気によく溶け込んでいた。

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