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2011年9月 3日 (土)

浜辺のキツネ-1 ( 大人のイソップ 物語 )

 瀬戸内海のとある小島に、厳島神社 という古い社(やしろ)がある。その小島にタヌキ達が寄り添って住む 小さな集落 があった。夏が来るたびに、ウサギ・ムササビ・ヌートリア・イノシシ・キツネ・・などが海水浴にやって来て、昔は大変にぎやかだった。 今はさびれてしまったが、それでもタヌキの住人達は神社を大切に守りつつ、ささやかに暮らしていました。
 暮れも押し迫ったある年の大晦日(おおみそか:12/31)、一匹の初老キツネ が流れ着いた。明日は正月だというのに、その社には人っ子一人見当たらない。『 さびれたもんだ 』と思いつつ、その夜は近くの海岸で一夜を明かした。野宿だ。
 小雪の舞う寒い寒い夜を明かしたキツネは、朝日を浴びて眼を覚ました。『毎年の恒例だ。初詣をあの神社で済まそう。』と、そのキツネは思った。
 出かけて見ると、その社(やしろ)の境内はウサギ・キツネ・タヌキ・イノシシなど大勢であふれていた。社(やしろ)の前には、大きな焚火が景気良く焚かれている。キツネは冷えた身体を温めようと、その焚火を囲んだ集団に加わって行った。
「・・、年始の御札を頂きたいのですが、いくら位お包みしたら宜しいでしょうか?」
「”3枚”ぐらいでいいんじゃないの?」
キツネはビックリした。『流浪の旅の最中に、”3枚”は痛い出費だ』。
それでもキツネは清水の舞台から飛び降りる思い で、”2枚”を紙に包み、拝殿に上がって行った。
(続く)  2011,9, 5  大山 宏 記

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