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2011年9月 4日 (日)

浜辺のキツネ-2 ( 大人のイソップ )

 拝殿の中には神社世話役のタヌキ数匹 が上下(かみしも)姿で居並んでいた。御札を押し頂いた後、暇なキツネ は世話役タヌキ連中を相手に、
「昔、この社を訪ねたことがあります、、、」
「世界的に有名となった安芸の宮島(厳島神社)は当神社の分家だと、15年前に聞いた」ことなど、話に花を咲かせたのだった。 昼飯時となった。
「一緒に、弁当を食べませんか?」
「いいですね。御一緒させて頂きます」。
「そのお神酒を、私にも飲ませて下さいませんか?今日は、車は運転しませんので」
 紙コップに注がれたお神酒を皆で楽しんだ。(最近はくまのおまわりさん”がうるさくて、正月の参拝者には、くず湯 が振る舞われるだけだ)。
「向こうの山のお寺( しょうじょう寺 ?)を訪ねてみられましたか?」とタヌキの親分格 が問いました。
「いいえ、まだです。除夜の鐘 は聞こえませんでしたが、お寺もあるのですか?」
「この神社ほどではないが、由緒正しき お寺ですよ。地図を書いてあげましょう」
 初老キツネ は更に尋ねました。
「あの向こうに見事な岩山 がありますが、あそこに登ってみたいのです。どの辺りから登れるのでしょうか?」
 懇切丁寧に、登り口や尾根道 を教えてもらったキツネ は、登ってみました。『 素晴らしい景色、流石は瀬戸内海国立公園!』
 360度の大パノラマであった。北向こうに尾道水道 が横たわり、西向こうの備讃瀬戸水道には、大型船・小型船がひっきりなしに 行き来している。南向こうには しまなみ海道 の因島大橋 が大きくゆったりと横たわっている。
 初老キツネ は、暖かな日差しの中で、感動しました。
『 ここには神様が住んでいる!』 そう思った。
『 日本国はやっぱり神社の神が住む国だ!』 真冬ではあるけれども暖かな日差しの中で、流浪の旅 途中の初老キツネはそう思ったのでした。
  
-- 大山宏「大人のイソップ」 -- ( 続く )

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