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2011年9月 7日 (水)

浜辺のキツネ-5 ( いきなりのボランティア活動 )

 瀬戸内海の小島から東北被災地までは、高速道路でも1日半はゆうにかかる。ガソリン代はもちろんのこと、高速料金も自前だ。
気の毒がって途中のインターチェンジでは、詳細な全国道路地図を「ただ」でプレゼントされた。
 東尋坊を過ぎ、新潟を目指して走る。日本海沿いに走る東北道は、車も少なく、アウトバーン並みに飛ばせる。海に沈む夕日が美しい!
初老のキツネは、自分の行動力に久々の満足感を感じながら走った。
あの時は自転車だったが、ヨーロッパ大西洋の海を横目に走ったオランダの西海岸や、アイセル湖を仕切る大堤防(ダイク)のことを思い出しつつ走り続けた。
 新潟から福島県に抜ける途中で、夜になった。雨が降っていた。10時過ぎ、誰もいない休憩所近くの空き地に駐車して寝た。
あくる朝起きて見ると、自分の眼の前には雪壁 が連なっていた。付近一帯は銀世界!寒いはずであった。寝袋二枚でなければ凍死 していたかも、、?
 磐梯山を横目に走った。会津磐梯山は雪 に覆われていた。『 そろそろ、ガソリンを補給しなければ、、』と、ガソリンスタンドに立ち寄る。
「今日の分は既に売り切れました。次の補給タンクローリーがいつ来るかわかりません」。
 初老キツネは急にあせった。『 まだ予備タンクにはガソリンが入っていない。被災地に近づけば近づくほどガソリン補給は困難になっていくはずだ。・・・』
 幸いにも、次のサービスエリアで給油はなんとか出来た。
ほっと、胸をなでおろした。
 相馬市に入った。口コミ情報で得た「相馬中村神社」を目指して走る。

『 この辺りのはずだがな、。』と、思いつつ携帯電話をかけてみる。
「今、何処にいる?、そこから何が見える?」
「お堀と、小学校か中学校の建物が見えます」
「ちょっとの間、そこから動かないで待ってて下さい。」
 しばらくして古風な学校らしき建物から、一人の青年キツネ がこちらに向かって歩いて来た。
「今、被災者の集団移転準備 の真っ最中なのです。突然で申し訳ないが、手伝ってくれますか?」 いきなり、ボランティア活動が始まった。
初老キツネは結局、昼食を取り損ねてしまった。
 (むしょうに)熱厚の油揚げ入りうどんが食べたかった。
 大山宏「大人のイソップ」 -- 続く --

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