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2011年9月 8日 (木)

浜辺のキツネ-6 ( トマトの風評被害 )

 相馬中村神社に「トマトを収穫してくれ」との電話が入って来た。風評被害で出荷できずに困っているとのことだった。
即座に、青年キツネ達 が2台のバンに乗り会わせて出動していく。場所は、福島第一原発事故現場から半径30Km圏内(南相馬市)だ。初老キツネ も少々緊張気味。
 海岸沿いの道々は、まるで戦場跡でも見るが如く であった。訪ね尋ねてたどり着いた広い場所には大きなビニールハウス が10数棟、平行設置されていた。
 蒸し暑いハウスの中で収穫作業が始まる。コンテナ籠10箱は、じきに一杯となった。
ビニールハウス内は家の中と一緒で、放射能の影響はほとんど無いはずなのに、突然福島県産のハウス物トマトまで 売れなくなる。
風評被害に関して薄々は聞いてはいた。しかし、実際に現場で作業をしてみると、生産者の苦渋苦悩は痛いほど伝わって来る。
 過去のトイレットペーパー騒ぎ、災害直後の株価の暴落、放射能被害・汚染を極度に(病的に)避けようとする異常反応に、現代社会のもろさ・あやうさ を、ハウス物トマトを収穫しつつ、初老キツネは危惧した。
 「県外に出荷出来ないものは、県内で消費すればいいじゃないか」との趣旨だった。収穫したトマトは、近所の幼稚園や非難場所となっている小・中学校などに希望に沿って配って歩いた。
 何処でも大変歓迎されたのだった。
 誰かが損をすれば、誰かが得をしているらしいこの世の中。初老狐は『火事場泥棒 や、暗躍する(白昼堂々と歩いている?)死の商人 憎い!』と、改めて思った。
 大山宏「大人のイソップ」 -- 続く --

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