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2014年9月 5日 (金)

H45、夢のお告げは時に身勝手、卑怯な話法

 創世記 第31章
【 さてヤコブはラバンの子らが、「ヤコブは我々の父の物をことごとく奪い、父のものによってあのすべての富を得たのだ」と言っているのを聞いた。 またヤコブがラバンの顔を見るのに、それは自分に対して以前のようではなかった。】
 この文章は、公平な立場で描かれていると、思われる。ヤコブの性格なら、こういう結果を招く。しかし、後に続く文章は、巧妙にヤコブの正当化へと変化している。

【 シュ(氏神様)はヤコブに言われた、「あなたの祖先の国へ帰り、親族のもとに行きなさい。わたしはあなたと共にいるであろう」。 そこでヤコブは人をやって、ラケルとレアとを、野にいる自分の群れのところに招き、彼女らに言った、「私があなたがたの父の顔を見るのに、私に対して以前のようではない。しかし、私の父のカミは私と共におられる。 あなたがたが知っているように、私は力の限り、あなたがたの父に仕えてきた。 しかし、あなたがたの父は私を欺いて、十度も私の報酬を変えた。 けれどもカミは彼が私に害を加えることをお許しにならなかった。 もし彼が『ぶちのものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆ぶちのものを産んだ。もし彼が、『しまのあるものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆しまのあるものを産んだ。 こうして神はあなたがたの父の家畜をとって私に与えられた。
 また群れが発情した時、私が夢に目をあげてみると、群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものであった。 その時、神の使が夢の中で私に言った、『ヤコブよ』。私は答えた、『ここにおります』。 神の使は言った、『目を上げてみてごらん。群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものです。 私はラバンがあなたにしたことをみな見ています。私はベテルのカミです。かつてあなたはあそこで柱に油を注いで、私に誓いを立てましたが、いま立ってこの地を出て、あなたの生まれた国へ帰りなさい』。】
 夢を見ただけです。あの「柱に油を注いだ」ときも、夢を見たあとでした。これを持ってイサクは正当化を図ろうとしているらしいです。

【 ラケルとレアは答えて言った、「私達の父の家に、なお私達の受くべき分、また嗣業(しぎょう)がありましょうか。 私達は父に他人のように思われているではありませんか。 彼は私達を売ったばかりでなく、私達のその金をさえ使い果したのです。 カミが私達の父から取りあげられた富は、みな私達と私達の子供のものです。だから何事でもカミがあなたにお告げになったことをしてください」。】

 相談の形式を取りながら、娘二人が父を見捨てる相談を、まとめあげてしまいました。これは神の御心なんてものでは無いでしょう。その見たという二度の夢も作り話の可能性大です。
【 そこでそこでヤコブは立って、子らと妻たちをらくだに乗せ、またすべての家畜、すなわち彼がパダンアラムで獲た家畜と、すべての財産を携えて、カナンの地におる父イサクのもとへ赴いた。 その時ラバンは羊の毛を来るために出ていたので、ラケルは父の所有のテラピムを盗み出した。 またヤコブはアラムびとラバンをあざむき、自分の逃げ去るのを彼に告げなかった。 こうして彼はすべての持ち物を携えて逃げ、立って川を渡り、ギレアデの山地へ向かった。】

兄をだまして逃げた地から、今度は妻の父や同族民のところから、逃げ出すのです。 ロトがソドムとゴモラから脱出した時とは、動機も次元も全く違うことに注意してください。
読み飛ばしても大勢に影響はありません。  
2014 8月14日 大山宏

【 三日目になって、ヤコブの逃げ去ったことが、ラバンに聞こえたので、彼は一族を率いて、七日の間そのあとを追い、ギレアデの山地で追いついた。】

 この逃走劇、どこかで似たような話があったような、、と思ってみたら、
モーゼがエジプトを脱出する出エジプト記と相似していることに気が付きました。古代世界の中だけでも、歴史は繰り返してきているのですね。
【 しかし、神は夜の夢にアラムびとラバンに現れて言われた、「あなたは心してヤコブに、よしあしを言ってはなりません」。 ラバンはついにヤコブに追いついたが、ヤコブが山に天幕を張っていたので、ラバンも一族と共にギレアデの山に天幕を張った。
 ラバンはヤコブに言った、「あなたはなんということをしたのですか。あなたは私を欺いて私の娘たちを戦のとりこのように引いて行きました。 なぜあなたは私に告げずに、密かに逃げ去って私をあざむいたのですか。私は手鼓や事で喜び歌ってあなたを送りだそうとしていたのに、なぜ私の孫や娘に私が口づけするのを許さなかったのですか。 あなたは愚かな事をしました。 私はあなたがたに害を加える力をもっているが、あなたがたの父の神が昨夜私に告げて、『おまえは心して、ヤコブによしあしを言うな』といわれました。 今あなたが逃げ出したのは父の家が非常に恋しくなったからでしょうが、なぜあなたは私の神を盗んだのですか」。】

 どう見ても、ラバンの人格の方が、遥かにヤコブを超えている。 もしヤコブが逃走に成功したとしても、それは、意地汚い依怙贔屓の氏神様が、横車を引いただけのつまらない話になる。 そうなる雲行きですが、この氏神様はまだ反省が足りてませんね、困ったものです。

【 ヤコブはラバンに答えた、「たぶんあなたが娘たちを私から奪いとるだろうと思って、私は恐れたからです。だれの所にでもあなたの神が見つかったら、その者を生かしてはおきません。何かあなたの物が見つかったら、何かあなたの物が私のところにあるか、我々の一族の前で、調べてみて、それをお取りください」。 ラケルが神を盗んだことをヤコブは知らなかったからである。
 そこでラバンは天幕にはいり、またレアの天幕にはいり、更にふたりのはしための天幕にはいってみたが、見つからなかったので、レアの天幕を出てラケルの天幕にはいった。 しかし、ラケルはすでにテラピムを取って、らくだの下に入れ、その上にすわっていたので、ラバンは、くまなく天幕の中を捜したが、見つからなかった。 その時ラケルは父に言った、「私は女の常のことがあって、あなたの前に立ちあがることができません。我が主よ、どうかお怒りにならぬよう」。 彼は捜したがテラピムは見つからなかった。】
 低俗な芝居ですね、見ちゃおれない。
【 そこでヤコブは怒ってラバンを責めた。そしてヤコブはラバンに言った、「私にどんなあやまちがあり、どんな罪があって、あなたは私のあとを激しく追ったのですか。 あなたは私の物をことごとく探られたが、何かあなたの家の物が見つかりましたか。それを、ここに、私の一族と、あなたの一族の前に置いて、我々二人の間を裁かせましょう。 私はこの20年、あなたと一緒にいましたが、その間あなたの雌羊も雌やぎも子を産みそこねたことはなく、また私はあなたの群れの雄羊を食べたこともありませんでした。 また野獣が、かみ裂いた物は、あなたのもとに持ってこないで、自分でそれを償いました。 また昼盗まれたものも、夜盗まれたものも、あなたは私にその償いを求められました。 私のことを言えば、昼は暑さに、夜は寒さに悩まされて、眠ることもできませんでした。私はあなたのふたりの娘のために14年、またあなたの群れのために六年、あなたに仕えましたが、あなたは十度も私の報酬を変えられました。 もし、私の父の神、アブラハムの神、イサクのかしこむ者が私と共におられなかったなら、あなたはきっと私を、から手で去らせたでしょう。神は私の悩みと、私の労苦とを顧みられて昨夜あなたを戒められたのです」。】
流石ヤコブ、弁舌はさわやかです。
 兄のかかとを掴んで出てきたヤコブ、人を操る能力には卓越したものがあります。母の血を色濃く引き継いでいる。これが
21世紀の現代まで継承されて行くのですね。
【 ラバンは答えてヤコブに言った、「娘達は私の娘、子供達は私の孫です。また群れは私の群れ、あなたの見るものはみな私のものです。これらの娘達のため、また彼らが産んだ子供達のため、今日私は何をすることができましょうか。 さ、それでは私とあなたと契約を結んで、これを私とあなたとの間の証拠としましょう」。】 
【そこでヤコブは石を取り、それを立てて柱とした。 ヤコブはまた一族の者に言った、「石を集めてください」。 彼らは石を取って、一つの石塚を作った。こうして彼らはその石塚のかたわらで食事をした。 ラバンはこれをエガル・サハドタと名づけ、ヤコブはこれをガルエドと名づけた。】
【 そしてラバンは言った、「この石塚は今日私とあなたとの間の証拠となります」。 それでその名はガルエドと呼ばれた。またミズバとも呼ばれた。彼がこう言ったからである、「我々が互いに別れた後も、どうか主が私とあなたとの間を見守られるように。もしあなたが私の娘を虐待したり、私の娘のほかに妻をめとることがあれば、たといそこに誰ひとりいなくても、神は私とあなたとの間の証人でいらせられる」。】
【 更にラバンはヤコブに言った、「あなたと私との間に私が建てたこの石塚をごらんなさい。この柱を御覧なさい。この石塚を越えてあなたが私に害を加えないように、どうかこの石塚があかしとなり、この柱があかしとなるように。 どうかアブラハムの神、ナホルの神、彼らの父の神が我々の間をさばかれるように」。】

 この一方的な言葉の連続に、よくラバン達が耐えているものだと関心する。ラバン側にも言いたいことは山ほどあったと思われるが、よほど依怙贔屓の神の脅しが、効いていたのかがよく分かる。 私の弟もこの詭弁に近い論法でまくしたて、人をけむに巻く。ヤコブの血か、はたまた、カインの血筋か。
【 ヤコブは父イサクのかしこむ者によって誓った。そしてヤコブは山で犠牲をささげ、一族を招いて、食事をした。彼らは食事をして山に宿った。
あくる朝ラバンは早く起き、孫と娘たちに口づけして彼らを祝福し、去って家に帰った。】
 創世記 第31章はここまでです。2014 8/14 H.Oyama

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