これって生命保険の仕事?
母が入居している老人ホームからの帰り道で、携帯電話が鳴った。
生命保険のお譲さん(子持ちのおばさん)からだ。
峠の空き地に車を片寄せて停車する。
「もしもし、久しぶりだね。今どこにいるの?」
「西条(東広島市)から帰宅途中です。今、造賀(ぞうか)辺りを走ってま~す」。
「運転しながらの電話は危険だよ」
「大丈夫、イヤホン使ってるからハンドフリーよ」
「安心した。どこかでちょっと会って話せるかな? そうだ。福富町のダムのそばの道の駅で落ち合わないか、聞きたいことがあるんだ。」
「了解!」
とまあこんな調子で、夜間デートが成立!
どっちが先に、道の駅に到着するか、競争である。
ヘッドライトをハイビームにして、山道を走りまくる。
「俺の方が早かったね」。
「アッ、競争してたの。こっちは歳を考えて安全運転よ」
「ところで、例の板鍋山であったS電気のぼうやには会えたの?」
「会えなかった。へそ祭りにも、文化祭にもめぼしい人達が来てなくてね。私は焼きそばを焼いていた」。
「な~んだ、まだ会えてないのか。それもいつか小説に取り込もうと考えているんだけど」
「えっ小説書いてるの?ジャンルは何?」
「何がお好み?」
「私は、ミステリー小説が好き」。
「ピッタリだね。今書きかけのほやほやを持っている。実は90歳の母親に読み聞かせて感想を聞きたかったのだけど、無茶だということが判明したところだ」。
「読ませてよ、なんという題?」
「カインの後胤(こういん)という題だ。前篇を書き終えたところ」。
と言いながらそれを手渡す。
「カインって何よ?」。「アダムとイブとの間に生まれた長男の名前。弟のアベルを殺した罪で、エデンの園を追放される話聞いたことないかな」
「後胤?この字読めない。どういう意味?」
「(こういん)と読むんだ。子孫のこと。末裔(まつえい)でもいいんだけど、それだと有島武郎の「カインの末裔」と全く同じ題名になってしまう」。
「カインの子孫にすればいいじゃない」。
「それだと、味もそっけもないよ。分った、題名にふり仮名しておくよ。」
「出版しようと思ってるんだ。その前に何人かの人に読んでもらって文章校正中なんだ。読後感想を聞かせてよ」。
「私は厳しいよ。途中まで読んで面白くなかったら、すぐポイするもんね」
「お手柔らかにお願いしますよ。もしよければ、貴女のお子さんにも読んでもらってくれないかな」
「彼女、漢字が読めるかな?」「本文には出来るだけルビをふっておいたよ。よろしく」。
「わかった。夕食がまだなんで、今日は帰る」。
「それじゃバイバイ」。
『これが66歳にもなった大人がすることかな?』と思いつつ、分れた。
時計は8時半過ぎを表示していた。
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