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2015年8月23日 (日)

小さな会社(社長と専務)-1、・中国短編文学賞応募作品。『信恵かあちゃん、助けに来て!』119番を携帯電話からかけるレッスン中です!

 昨日(2021/ 2/ 27)、春ちゃんが、この短編小説:「小さな会社(社長と専務)1,2,3」を、1時間もかけて読んでくれました。えらく感心してくれまして、コーヒー休憩の時に、「実はあの小説は、中国短編文学賞への応募作品の一つであって、これが提出原稿の控えだよ」と言いながら、原稿用紙に書かれた『小さな会社』の短編作品のコピーを渡してやりました。春ちゃんは喜んで手さげカバンにしまって持ち帰りました。きっと今夜、改めて夜中に読んでくれているでしょう。 そして、明日も元気に、9時半に我が家にやって来ます。
 信恵母ちゃんにも、池迫さんにも、福富図書館司書の数名の方々にも、ドエル東志和の十数名の介護士・保健師・賄い(まかない)師の方々にも、提出時(今から6年前)に読んでいただいたことのある、私(大山宏)が書いた短編文学作品です。
 信恵かあちゃんにも、もう一度読んでみて欲しい、と思っています。お忙しい毎日でしょうが、宜しくお願いします。 早々
 投稿: 土屋信恵(元)民生委員様へ  2021/ 2/27 22:50

  タイトル:『小さな会社』
 ある所に家族だけで経営されている小さな会社がありました。
会社と言っても本当に小さくて、お父さんが社長で、お母さんが専務さん、その子供達が課長と係長、それにお手伝いさんがいるだけという、たった5人だけの会社でした。はっきり言えば家庭会社です。
 社長は優しさだけが取り得の性格で、人にだまされることもしばしばでしたが、なんとかこれまで、その会社はつぶれることもなく、運営されて来ました。

 ある日急用があって社長は出張し、何日か会社を留守にする事になりました。その時、何を思ったか、その社長は幾つかあった貯金通帳実印を含めてすべての印鑑を旅行鞄(かばん)に詰め込んで、出張へと出掛けたのでした。
 出張は長引いて、社長は中々帰って来ません。お母さん専務は気が気ではありません。
 そこで専務は、
郵便貯金通帳爪切りとを預かり申し候』という短いメールを社長宛てに送りました。
 社長はそのメールを受け取った時、一瞬妙な不安を感じはしましたが、取り引きに忙しくて、そのメールに対しては結局、返信しませんでした。
 その内に出張先での仕事も済み、社長は帰って来ました。
しかし、郵便貯金通帳のことをすっかり忘れていて、別口の出張へとまた出掛けて行ったのです。

 一ヶ月が過ぎ、雪もそろそろ降りおさめのころ、税金を納めなければならない確定申告の時期がやって来ました。
そこで初めて『郵便貯金通帳と爪切りを預かり申しそうろう』というメールのことを思い出し、近くにいたお母さん専務に向かって、「専務さん!書類作成上、郵便貯金通帳の打ち出しが必要だ。確か、爪切りと一緒に預かってくれているのだったね。返してくれるかな。」と、社長は言いました。
専務は「はい、どうぞ」と、それらを差し出します。
社長は受け取りはしたが忙しい最中だったので受け取った通帳を見もしないで自分のポケットに押し込んだのでした。
 後で通帳を開いて見てビックリ!です。
総額70万円というお金が数回に分けて、通帳から引き出されていたのでした。
 不思議でした。
『郵便貯金通帳は入れ忘れたようだが、印鑑は確かにすべてカバンの中に入れ、すべて持ち出していたのに、何故引き出せたのかな?
キャッシュカードも常に持ち歩いているし、暗証番号は私しか知らないのにな。??』

 明くる日、社長は少し遠くにある郵便局にわざわざ足を運び、事情を話して調べてもらったのでした。
 会社から数10Kmも離れた郵便局から引き出されていました。
ご丁寧にも30万円と20万円とに分けて、数百メートル離れた別々のコンピュータ端末から引き落されていました。
また、一週間後の正月明けには
別口のお金が、会社近くの郵便局から引き落とされていました。
 社長は知らなかったのです。
カードの暗証番号さえ推定できれば、預金通帳だけで、数百万円でも数千万円でも、引き出すことが、出来たのです。

それが出来る人物は、専務以外には考えられません
お人よしの社長さんは色々と悩み考えた末に、次のように腹を決めたのでした。
『専務は問い詰めれた時の答えを用意しているらしい。問い詰めたら会社が危ない。 ここは、私が引き出して専務にブレゼントしたのだと解釈しておこう。』

 瞬く間に1ヶ月が過ぎ去ってある日、専務は社長に向って「話があります」と切り出しました。
専務は文句たらたらの後、
「急な出張時に運営資金も生活資金も、これまでにもらったことはありません」
社長「 ン?、確か現金で手渡したはずだけど」
専務「いつもらったというの?もらったことないわ」
社長「年末の出張時には合計50万円、年明けの仕事初めには、20万円手渡したじゃないか」
専務さんは社長が何を言っているのか、さっぱりわかりません。
社長「通帳にちゃんと記録も残っているよ、
   12月27日 30万円、
  
 12月27日 20万円、
    1月 7日 20万円、とね。」

 専務さんはニヤリと笑ってから、
「わかってたの。それなら、その気が付いた時に言ってくれればいいじゃない。どうして1ヶ月間も黙っていたの?」
「君は答を用意してただろう、違うか?その議論になったら会社はつぶれるんだ。だから私は、私みずから引き出して、専務にブレゼントしたのだと解釈した。」
専務はニヤニヤしながら、
「もっともっと沢山の金額が引き出せたのだけれど、70万円で止めといてあげたのよ」。
「冗談じゃない、数百万も数千万も引き出されていたら、即、警察署に届けなきゃならなくなる。そうしたら君は監獄に入ることになっちゃう。会社をつぶす訳にはいかないよ」。

 それから何ヵ月かが経ったある日のこと、
やり手の娘課長が社長室に怒鳴り込んで来た。
やり手課長、「社長は独断が過ぎる! 突然にすべての預金通帳や印鑑を持ったまま出張するなんて言語道断! こんなのは会社じゃない。発展的に解散すべきよ! ・・・
 この会社は専務と社長の二人で築いて来た会社でしょう? 専務には会社財産の半分を、もらい受ける権利がある! 手始めにまず、十万円を毎月、専務の個人通帳に振り込みなさい。 話はそれからよ!お父さんの顔なんか見たくもない。
   早く何処かにいなくなってよ!!
 社長さんは穏やかに、
「専務さんには会社収益の内から少なくとも毎月15万円ぐらいを支払っている事になるのだが・・」
課長には社長の言っている意味が理解出来ず、きょとんとした顔をしています。

 社長はニコニコ顔で話し始めました。
「専務は昨年末からこの会社には出社しないで、別の関連会社に出向出勤してもらっているだろう。 向こうに住み込みで働いてもらっているのだが、その毎月の謝礼は筋から言えば出向元の我が社に支払われる性格のお金でしょう。 当世人一人、住み込みで働かせれば、少なくとも、月十五万円位は必要
 小さな会社同士の間柄なので、そのお金が我が社を経由しないで直接出向者の専務に手渡されているという訳だ。」

 やり手の娘課長は反駁(はんばく)します、
「そんなのは屁理屈(へりくつ)だ。専務は支度金も一切持たされず、向こうの会社で肩身の狭い思いでやっている!」
「支度金は渡したよ。貯金通帳にその証拠が残っている。」
 やり手課長は『その件か』という顔で、
「年末に社長が預金通帳や印鑑などをすべて持って出かけそうなので、専務は社長のカバンから(こっそり)郵便貯金通帳を抜き取っておいた、と言っていた。私らはそれを聞いて、良くやった!と拍手喝采したんだ。」

 『なあんだ、私が最重要の郵便貯金通帳を、カバンにうっかり入れ忘れた訳じゃなかったのか。これではますます、この会社をつぶす訳にはいかないぞ。』と、
その社長は心の中で、つぶやきました。

  「小さな会社」ー2 へと続く

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 土屋信恵(元)民生委員・児童委員様へ、
昨日(2021/ 2/ 27)、春ちゃんが、この短編小説1,2,3「小さな会社(社長と専務)」を1時間もかけて読んでくれました。えらく感心してくれまして、コーヒー休憩の時に、「実はあの小説は、中国短編文学賞への応募作品の一つであって、これが提出原稿の控えだよ」と言いながら、原稿用紙に書かれた『小さな会社』の短編作品のコピーを渡してやりました。華ちゃんは喜んで手さげカバンにしまって持ち帰りました。きっと今夜、改めて夜中に読んでくれているでしょう。 そして、明日も元気に9時半に我が家にやって来ます。
 信恵母ちゃんにも、池迫さんにも、福富図書館司書の数名の方々にも、ドエル東志和の十数名の介護士・保健師・賄い(まかない)師の方々にも、提出時(今から6年前)に読んでいただいた私(大山宏)が書いた短編文学作品です。
 信恵かあちゃんにも、もう一度読んで欲しい、と思っています。お忙しい毎日でしょうが、宜しくお願いします。 早々
 

投稿: 土屋信恵民生委員様へ | 2021年2月27日 (土) 22時50分

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