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2016年1月12日 (火)

S9  長楕円軌道のミズ天体

灼熱の氷惑星(高橋実著) ・・・著者は15年前に故人となられました。私は約40年前に「この本」を購読して目を開かれました。(その本友達に貸したら、帰って来なくなりました)。この文は、神奈川県立川崎図書館の秘蔵本を取り寄せてもらってブログ転載させて頂いています(著作権など問題がある場合は、その御指示に従います)。 原書房様、転記しつつ感じるのですが、ブログで200ページ余りの「本」を読んで頂くことは大変です。(皆さんのために)是非、復刻版をお願いします。 

4 長楕円軌道をもった天体Mはミズ天体になった

天体Mの遠日点は600億キロメートルのかなたにまで延びているいるわけであるが、もしその位置で円軌道をもった惑星があるなら、その惑星はおそらく水素ばかりを集めた水素氷(固体の水素)の殻からなる天体となっていたであろう。

このような場合でも、水素を集積する核となった重い元素の塊まりは、すでに存在していた---としなければならない。つまり600億キロメートルの位置まで、鉄だのニッケルだの、核の中心材料になるような重い元素がその辺りまで行っていた、としなければならない。---そういうことはあり得るのだろうか?

この疑問は実は、天体Mそれ自身への最初の素朴な疑問にも通じるものである。”多くの太陽系の惑星がほとんど全て円軌道を持ち、距離も60億キロメートル以内のところにあるのに、なぜ天体Mは一つだけものすごく飛び離れた長楕円軌道を持っているのであろうか?

この疑問はおそらく全部の読者に抱かれている疑問であろう。この疑問に、先刻の核の問題は、通ずるのである。

”なぜ、核が、このような遠い所でできたのであろう?”

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《天体M出生の謎》

さて、私は集水仮説において、核のメカニズムやあるいは拡散物質のあり方などについて、すでに説明したような拡散モデルを考え、それに基づいて集水計算を行い、それが天体Mにも、かなり有意に、よく適合することを見出した。それが天体Mの存在をある程度説明するものと言える。

ところが、いったんこのような理論体系をとってみて、それが有意の方向だとわかりかけたとすると、逆に今度はその理論の一部を勝手に変更することはできなくなる。

例えば、重い原子の拡散の力学にしても、天体Mについてだけ核の存在を否定するわけにはゆかない。核はやはり、600億キロメートルの彼方でできている、としなければならない。それを中心に水素の集積が可能となったのであるから--。

私は天体Mの軌道を最初に検討したとき、とにもかくにもこのような軌道があり得ると仮定して、それ以後の検討を進めた。しかしその後の複雑な回帰検討を通じて、色々な事象に対してこの天体Mの仮説があまりにもよく合うので---ということを読者は後章の異変分析などで感じられるであろうが---、こんどは天体Mの長楕円軌道についても、根本的に、天体物理学的な成立の可能性に言及しておかなければならなくなった---と思われる。

おそらく、この疑問点には次のような説明ができるであろう。

《天体化学による成因と構造》

天体Mの核を構成している重い原子の大群は、拡散によって飛んでいったのではない。それは超新星現象のとき、直接に熱力学的な力で抛(ホウ:放)り出されたものである---と。

これと同じような現象は、イマの太陽の紅焔(プロミネンス)においてもみられるのではないか? それは核反応が局部的に異常進行することによって起る、と解釈される。イマの我々の太陽は、まだCNサイクルの核反応であって、超新星反応に比べれば、極めてゆっくりとした反応であるが、それでも時には噴出型紅焔を数十万キロメートルの高さに抛り上げている。

超新星現象のときの反応速度は、CNサイクルに比較すればその1兆倍にも達するほどの速いものだ。また反応速度は、温度の18乗ないし20乗に比例するので、局部的な温度の高まりは急速に非常に大きな局部爆発を起こすことになるであろう。これが、反応領域の外側部分を一挙に吹き飛ばすのだ。

こうして吹き飛んだ重い元素のガスの塊まりは、おそらく秒速何百キロメートルという速度で飛びだし、600億キロメートルのかなたで、冷えて核となり、そして落下運動に移るのだが、初めの抛出の方向によって、長楕円軌道をとることになったのであろう。

ともあれ、このようにして天体Mの核ができたものとすれば、天体Mの軌道に暗示される異様な出生の謎が解けないこともないのである。---少なくとも”説明不可能な軌道である“とはいえない。核ができれば水素を集積して、水素氷(固体水素)の殻ができる。だが--。

天体Mの場合、それは600億キロメートルの彼方から、太陽への近日点距離0.75億キロメートルの位置まで、往復をくりかえす。太陽の近くには酸素が拡散している。酸素は水素氷の上に降り積り、少しづつHと化合してミズになり、生成熱が溜まり、高温になるとH2もO2も気体となり、さらに圧力が加わると高温高圧のガス体となって化合反応は一層早く進行する。

できたミズは核の表面にたまる。遠日点の方向に居る時は表面温度が下るが、また水素を集め、酸素を集めそして次第に物質の量は増して、何万気圧もの圧力になってゆく。最後には20万気圧を超えるほどの厚さにまで、ミズができる---。

こうして、最初の天体Mの構造図にみるような、深さ数千キロメートルの大水圏ができた。

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