T8 陸上に残ったもの・・水成岩、大理石、水晶、ダイヤモンドも
「氷惑星の謎(高橋実著)」 第Ⅲ部(最終章)
4 陸上に残ったもの(マグマの残留)
《 大ヒマラヤ山塊への考え方 》
『大きな褶曲山脈を造った圧力の正体が---』 と 私はさらに考えを続ける。
『もし本当に第10図のようなものであるならば、その同じ原理は、陸上すなわちイマの大陸塊の上での、大きな褶曲構造にも当てはまるはずだ。』
実際、海を干し上げてしまって、海と陸との本質的(?)な違いがそんなにあるものでは無い、と分かって来た今では、広い大陸の上で天体Mが大きな造山作用を行うチャンスがあった---と考えてもよい訳である。
第10図の説明の中で、チラチラと私が持ち出したヒマラヤ山系などは、どうもそのような陸上での造山作業の結果であるようにも見えて来るのである。
ヒマラヤ山系の南面の斜面---それは実に雄大きわまりない斜面であることが、地図の上ではよく分かるのであるが---これも前出のコーリ(氷)のブルドーザーの図に示したPBの斜面に相当するようなのである。
だとすると、ガンジス川の流れる大平野は、同じ図のTPの斜面---つまり大海溝の斜面ではないのか? と思われて来る。
「でもそこは、斜面にはなっていないではないか? 鏡の如く平坦な平野ではないか?」 と、読者は問われるであろう。
さあ、そこの所の説明であるが、私はここが厚い堆積層 で埋められて、平野になったのではないか?とも考えるのである。
つまり、私は読者の皆さんに、私がずっと前に この書物の初めの方に出しておいた”隠れ海溝”の話(第Ⅱ部)を思い出して頂きたいのである。
そこでは、大量の堆積物が海谷を埋め尽くして、見かけの上で表面を平坦にしてしまったのではないか? と考えておいた。
陸上でも、同じことが起こるのではないか?
陸上に落とされた 膨大な量の堆積物(註=落とされた という表現が、私の立場での、堆積物の実体に対する成因観を示しているわけである)が、海溝に相当するような地溝とか、その他地上の凹所を広く埋め尽くしたのが、イマの陸上の大平原なのではないか?
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