Z選考・・短編小説「へその館」

2015年12月20日 (日)

中国短編文学賞審査員の皆様へ。「小鳥」という童話集をご存知ですか?

 先日、江田島にある図書館より「小鳥」という童話集が送られて来ました。
皆様はこの小冊子のこと、ご存知でしょうか?
広島県江田島市立能美図書館発行の児童文学誌ですが、子供たちが作った作文・短歌・に加えて、大人が作った短編作品が載っています。 読み始めてみて、びっくりです。
 引き込まれるようにして、その短編作品集を読みました。

中国短編文学賞は400字詰め原稿用紙25枚の制限下での応募でした。それと同じ程度の原稿枚数作品が1件、原稿用紙8枚程度以内の作品が3件、掲載されていました。

 中国短編文学賞受賞作品の3件を貴社の新聞紙上で読んだ時には得られなかった感動がそこにはありました。
そこで私は考えたのです、『一体全体、童話短編文学作品との差は何んであろうか』と。

子供が読むには難解な作品が短編文学作品なのでしょうか?

 私は『そうではない』と思います。
優れた短編作品はエッセンスを凝縮する形で(易しい言葉使いさすれば)童話になりえるのだと私は思ったのです。

 優れた短編作品は、童話に書き直しても優れた作品になります。
 逆に言うと、
童話に直したら駄作にしかならないような短編作品は駄作だということです。
芥川賞作家の高樹のぶ子さんがもし『そうではない』とおっしゃるなら、私は高樹のぶ子さんの方が間違っていると思います。

 考えてもみて下さい、子供は大人の背中を見て学習していくのです。
大人が身勝手な"エロ小説"や"難解で不可解な小説"を(心の中で)理想化していたら、子供たちはその"ダメな大人"に次第に成長していくに決まっているでしょう?
 「子供の感性の方が大人の感性よりも勝っている」ということは大昔から言われ続けて来ています。現在もその事実は変わりません。
「難解なものが素晴らしいのだ」という偏見を捨てましょうよ。 

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2015年7月26日 (日)

「へその館」-6,7,8 短編文学作品4・・・訃報・諜報・F席・頓死・中野学校

「よくそんな所で眠れるね。まるで乞食だ。」
「夜中の8時頃だったかな、宏は突然、懐中電灯の光をまとも
 に照射され面食らった!泥棒(不審者)がビニールハウスで
   寝ていると、農家の人に勘違いされたんだな。」
「そうだよな。 夜中にビニールハウスの中で光が
         ちらちらしてれば、誰だって怪しむよ。」
「でもね、宏が学生証を示し、必死で事情を説明したら、母屋に
 連れて行かれて夕飯を食べさせてくれ、布団で寝させてくれ、
  次の日には昼弁当まで持たせてくれたんだよ。
 確か、中野学校諜報活動者要請学校)の卒業生だとか、
          その農家の主人は喋ってたらしいが。」
「終戦から20年経つか経たない頃だから、
     そんな出逢いがあったって不思議じゃないね。」
「それで北海道の話に戻ると、今でこそ日本の道路という道路
 は農道に至るまで、アスファルト舗装されているけど、
宏が北海道自転車の旅を敢行した当時は、国道の内僅か〔1/3〕
しか舗装が施されてなかったんだ、国道がだよ。
あとの〔2/3〕の国道は未舗装だった。雨なんか降るとぬかるんで
大変なんだよ。その泥んこ道と格闘しながら
      ようやっと失恋の傷が癒えたというお粗末話。」
「宏の思い込みって凄いね。まるで巨人の星飛雄馬だね。
  『思い込んだあら試練の道を行くが・・』を、地で行った訳か。」

「あんまり道草食ってると(原稿枚数が25枚を越えちゃうので)、
 この辺で海外編に飛ぶかな。

   生れて初めての海外は英国だった。
  しかも、出張に強引参加という暴挙。
 更に、
『ここまで来たのならオーストリーのタングステン製造会社の
工場視察をして来るべきだ。』と、帰国直前に言い出して周囲を
説き伏せ、ドイツの”ミュンヘン(ミューニック)”に飛ぶんだ。
32歳の宏がだよ。
急遽の航空券手配はウシオ電機の専務さんがやってくれたけど、
偶々空席がなくて、ファーストクラスのチケットで、ロンドン→
ミューニック(ミュンヘン)への空の旅だ。一時間ちょっとだけどね。
        後にも先にも、”席”に座ったのはこの時だけ。」
「かなり強引ね。でも数人での移動でしょ。」
「それが違うんだ。
一緒に日本から行った先輩二人も、初めての海外出張だったの
だけど、びびれちゃって尻込。
  若い宏だけが単独で、ドイツ語圏に飛び込んで行くんだよ。」
「めちゃくちゃだ。」
「飛行機の中で周囲に座っていたのはアメリカ人の男達だったん
       だが、何してる男達だったと思う? 当ててごらん。」
「そんなこと、わかんないよ。」
FBI の人達だったんだ。諜報の前線の活動ではなくて事務系
の仕事だ、とか言ってたけどね。怪しいもんだな。
      諜報活動を兼ねての調査旅行だったかもね。
意外に魔女の仕事と関連してるだろう、宏と出会う人々は。
 ついでに言うけど、
宏と初めて海外出張した2人の先輩の内の一人は、それから
    4年後には頓死してるんだよ。これも不思議だろう?」
「原因は?」
「台湾に出向中に彼の母親が亡くなったんだ。
 父親は小さい頃に死亡してたので、後に残されたのは彼と妻と
 子一人。 帰国して葬式を済ませた直後に彼は死亡。」
「日本ではそれを”友引”と呼ぶらしいわね、ちょっと怖い話ね。」
「彼は宏の親友だったんだ。
 それが後日、仕事上のことで大激論になったんだな。
 その時勢いで、『あいつなんか死ねばいい』と思ったんだ。
 
 その仕事が終って宏はウシオ電機を退職し、その一年後に
 スタンレー電気に再就職。
招聘(しょうへい)だよ。若いのに招かれて請われて、入社するん
だよ。 それは兎も角、
その転職の3年後に、東京駅でたまたま逢ったウシオ電機の常務
      から、その親友の訃報ふほう)を聞かされたんだよ。」
「たまたまでしょ、偶然よ、そんな事。」
「ところがだよ。
 宏は入社二年目には前照灯ヘッドランプの新製品開発を成功さ
せ、アメリカのデトロイトで開催されてたモータショーで論文発表の
運びとなり、米国出張させてもらったんだ。
 その会場で少々ゴタゴタがあってスタンレー電気に招聘扱いの
労を取ってくれた藤田部長(当時)に叱られた上、社長に頭を下げ
させられるという事件があった。 後日、
(それから3年後だったかな?)、藤田重役(40才で重役へ昇進)
は、テニスコート上で、突然、心臓麻痺(しんぞうまひ)で、
 ショック死されたんだよ。」

「ええッ、それって本当にあった話なの?」
「作り話じゃない。実際にあったんだ。
 子供の頃からチョクチョク似たような事はあったのだけど、宏は
別に気にしてはいなかった。 しかし、37才の旧友が突然死亡し、
招聘の労を取ってくれた有り難い人が、宏が心の中で、たまたま、
『どうしてこんなに俺をいじめるんだ。もうこりごり。いい加減に
止めて欲しい。』と思ったら、年後に
 本当に天国に行かれてしまうという事件が起きた。
  怖くなってそれ以後、宏は、『あいつ邪魔だな。』とは、一切
                    思わないことにしたんだ。」

「その頃から宏は、知らず知らずの内に念力や超能力を発揮して
  たのね。本当に怖い話!」
「だから今でも、エホバの証人や訪問販売の人たちが宏の館を訪
れて来ると、「よく来た、よく来なさった。まあ上がれ、お茶飲みねえ、
寿司食いねえ、饅頭くいねえ、ラーメン作ってやるよ」って、
もてなしながら、数時間、話を聞いてあげるんだ。
 もっとも後半は宏が説教する側だけどね。
      例の お玉じゃくし論 だ。」
「何?その お玉じゃくし論 ってのは?」
「手短かに言うとアインシュタイン思想に基づいた宇宙論だな、
今日は止めておこう、またの機会に。
         エーと、それで何の話してたんだっけ?」
「アメリカへ出張した話に飛んでたところ。」
「思い出した。
 あの叱られた後、みんながショーの説明員として汗流してるのを
尻目に、一人日本に論文発表者宏は帰国するだがね。 帰りは
シスコ(サンフランシスコ)空港で乗り継ぎの為という名目で(ご褒美
として)安ホテルをスタンレー電気は予約してくれてたんだな。
 シカゴからシスコまでは6時間かかる。隣り合せになった人も、
モーターショー帰りのオーストラリア人の政府高官だった。
子供や妻の写真を見せ合って親しく会話が進んでいる内に、
シスコ空港が近くなって来た。
『私は貴方に興味がある。私は一泊二百ドルのフィッシャーメンズ
ワーフ
ホテルに泊っている。空港近くの安ホテルを引き払って、
  こっちに泊まれ、私の部屋は広いから。」
「サンキュー。しかし、初めてのシスコだ。市内見物が一通り済んだ
  ら、電話するよ。」と言って別れた。

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2015年7月23日 (木)

「へその館」-3,4,5 短編文学作品4・・携帯電話の爆発・占い師との出逢い

ギ兄「やれやれ、凄い物見せ付けられちゃったな。
   ところで今、西暦何年だ?」
ギ姉「2014年らしいよ。桜はまだ蕾(つぼみ)だから3月!
   あと2、3ヶ月したら恋情寺仏教婦人大会余興で御主人様
   が涙流しながら歌うんだよ。覚えてるでしょ、前の話。」
バ婆『ギ兄はもう忘れたな。恋情寺は近くだから、
   除夜の鐘も衝きに行くんだが、、』。
ギ兄「おいおい、宏が呪文(じゅもん)を唱えながら、家の中をぐる
   ぐる回ってるぞ。ああ呪文じゃないや、『かごめかごめ』の歌だ。
    何回廻れば気が済むんだ?
       気が狂ったのじゃないだろな、宏は。」
ギ姉「あれまあ、食器が突然台所の隅に出現したわよ。今度は
      厚手の急須(きゅうす)が現れたわ。」
ギ兄「コップの数がどんどん増えてるぞ!」
ギ姉「洗剤もコピーが次々に出現してくるじゃないの。
   さっき食べた饅頭(まんじゅう)まで再生してるよ?
     御主人様はバ婆同様に魔法が使えるの?」
ギ兄「今度は携帯電話機持って、ぐるぐる回りながら数字をもの凄い
  勢いで打ち込んでるぞ。今何千回目かな、いや何万回目かな?」
「あれえ携帯電話機が爆発しちゃッたよ。」
「火の粉が飛んでる。」
「絨毯(じゅうたん)が焦げてる!」
「大変だ。火事になっちゃうのかしら。」
バ婆「大丈夫。絨毯が穴だらけになるだけさ。
     ほうら、消し止めたじゃないか、流石だね。」
「冷や汗流してるよ。 頭から湯気も出てる」。
「宏は震えてるぞ。何かに怯えてるんだ。」
バ婆「ここはもういいから、三日後に、全員移動するよ。
    エイヤッ!」
      ・・・ 〈 時空間疾走中 〉 ・・・ 

「バ婆、ここは何処の道路ッ端?」とギ姉。
ギ兄「西条(東広島市)からの帰り道だよ。あッそっちは違う。
    左だ左! どうして右に曲るんだ?
      左折しなきゃ、家には辿り着けないよ。」
「あーやっと気が付いてUターンして来た。」
「あれあれ、あれー。
  今度は通り過ぎて河内方向へ走っていくぞ。」
ギ姉「引き返してきた。?ムムム?  なぜ通い慣れた道を
           間違えるの?左には曲がれないの?」
バ婆「時空間がずれてんだよ、今、宏は。」
ギ姉「御主人様頑張れ。念力使ってでも曲んなよ。
  真っ直ぐか右周りしか出来ないんだったら、クローバー
  ターン方式で、270度回転してでも、
    ”左”方向に進みなさいよ。 ああ、イライラする。」
 宏は悪戦苦闘の末、夜中10時過ぎに、ようやく、
 我が家に帰り着いたのだった。
   汗びっしょり。
バ婆「見ちゃおれないけど、見てやったかい?
  じゃあ、明日の夕刻へ移動しよう。 エイヤッ!」
    ・・・ 〈 時空間疾走中 〉 ・・・ 

ギ姉「ここは何処?」
バ婆「行き付けのスーパーFG(フジグラン)の2階だよ。
  既に、携帯電話機は新しいのに替えてもらっているな。
   これからだよ、興味深い出逢いは。 見ていなよ。」

「何か小さな看板を見てるぞ、占師:風凛?」
「数占い師さんに興味を持ったんだ。」
「丸っこい顔だな、まるで観音様みたいな顔だ。
       地獄にって顔で宏、話こんでるよ。」
「これが占師勝美女史との出逢いだ。
後で頻繁に出てくるから、ここはこの辺でいいか。
 次行くよ。3年前の東北だ。 なんとも忙しいねえ。」

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2015年7月21日 (火)

「へその館」-1,2 短編文学作品4・・ムー大陸・陰-陽+海凹陸凸海は若い

 以下の小説は、某新聞社主宰の「中国短編文学賞」への応募作品として仕上げたものです(審査委員は芥川賞作家の高樹のぶ子さん)数ヶ月前に書き上げていた長編小説「カインの後胤(こういん)」を急きょ、短編にまとめ直した”ノンフィクションのSF物語”です。

 数ヶ月間で、ここまで文章力が向上するのかという好例(?)としてお読み頂いても結構です。 お楽しみ頂けるなら幸いです。 小説を地で行っている者ですから話題には事欠くことはありませんでして、あふれ出て来る話題の連続であり、新人賞を来年度中に獲得しようと日夜精進しています!(笑)

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  タイトル  「臍(へそ)の館(やかた)
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 "へその館(やかた)"ってあるのをご存知ですか?
聞いたことないでしょう、宏の館がそれなのです。 
実は私はバイオリンの精なのですが、その館に40年間、居たことがあるのです。
 今日はその館で起きた様々で不思議な事件について、お話ししましょう。
 まずはその所在地です。東広島市豊栄町、清武篠江谷。
  これがその"館(やかた)"の所在地です。明治時代には広島県、豊田郡川源村清武篠江谷と呼ばれていました。これがいつの頃からか、賀茂郡豊栄町清武村と名前が変り、今から大よそ30年前に、現在の東広島市に吸収合併されたのでした。

 豊栄町という町は広島県のほぼど真ん中、”へそ”の位置にありますが、その広島県は、長ーい日本列島のほぼ中央、臍(へそ)の位置に在ます。
更に、日本の位置と言えば、インドとハワイと北極点の3点を結ぶ大三角形のほぼ中央にあるのです。  ですから豊栄町は、臍(へそ)の町と呼ばれるのです。 毎年、”へそ祭”が行なわれていることでも有名です。  更に、宏の館は豊栄町のん中にあるのですから、地球規模でみても”へその館”なのです。

 へそは各生命体に一つしか有りませんね。地球も生命体なので、"へそ"も只一つだけ!

 「異議あり!」ですか、 何でしょうか?「経度緯度でスイカ割りした大三角形あるじゃあないか。」ですか?
その通りです、つあります。でも調べて御覧なさい、そのほとんどは”へそ”の位置が海の底なのですから。 但し、もう一点だけ陸地の場所があります。それは中近東のイスラエル付近なのです。
 でもね、そこは地球の”へそ”ではないのです。
それはね、
一個の卵が細胞分裂を始めるときには、唯一点から割れ始めて陰ー陽+とに分かれて行くでしょ。片方が大陸なら、もう一方はとなるのが自然の営みなのです。中近東のイスラエル付近はアジア・アフリカ大陸のほぼ中央に位置していて、周辺が皆陸地なのです。 それに対して日本はというと、西は大きなアジア大陸、東は太平洋という馬鹿でかい海なのです。 太平洋は深さ5、6千mもある、とてつもない器(洗面器)なのですよ。

 もう少し言うとね、ムー大陸って聞いたことあるでしょう。

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2015年7月14日 (火)

中国短編文学賞の選考を終えて(高樹のぶ子女史)

概要:最近2年間の間に起きた奇想天外な事件ノンフィクションで語っています。前半は、中国短編文学賞として7作品を送ったのに、7作品とも落選した時のお話しです。後半は2年後に、それが縁で、暗黒物質・暗黒エネルギーの正体を見破るという物理学上の発見につながった。縁とは真に不思議なもの!というお話しです。お楽しみ下さい。

 五月も下旬に入ってから、私はその新聞記事をむさぼり読みました。
芥川作家である高樹のぶ子さんが選考委員を務められた某新聞社の総評記事です。
「必死さ伝わる視線の強さ」
 初めてこの賞の選考をさせて頂き、幾つかの感想を持ちました。まず最初に、25枚という短編は大変難しいということです。人生の長い時間を盛り込むと「あらすじ」のようになってしまうし、ではその一こまを描こうとすると、よほどの力が無いと日常の雑感に終始してしまい、文学としては希薄になってしまう。25枚の短編を生み出すのは容易ではありません。そうした覚悟の上で今回の候補作編と向き合いました
・・・『なあんだ、高樹のぶ子さんは、300遍中のわずか6編を読まれただけなのか。
全ての作品の内、わずか5%だけを、読まれただけで、この総評の文章を書かれている?』・・・
 全部読み終えて感じたのは「若さ」でした。作者の年齢は判りませんが、兎も角若い。
「若さ」と「完成度」の両方が備わっていれば完璧なのですが、それはなかなか望めません。
・・・『事務局は、作者の名前や年齢を伏せた上で、6作品を選考委員高樹のぶ子女史に提示し、「お忙しいでしょうから、この作品の中から大賞と優秀賞若干とをお選び下さい」と送付したらしい。この6作品の内に私の応募作品は入っていたのだろうか?』と思いつつ、・・・
 欠点は随所にありましたが、そのほころびを越えて、伝えたいことが伝わってくる、あえて言えば、作品としてのほころびさえも、必死な思いの結果として認めたくなる、そういう候補作がそろっていました。
 そこで考えました。この候補作を完成度で評価することは出来ないと。
では何を基準に選べばよいか。迷った末、私は「視線の強さ」を座標軸に据えました。
「視線の強さ」とは何か。まず伝えたいことがはっきりと在ること。それを伝えるために、良く視る事。この「視る」ということがとても大事なのです。そこで見たものを、気持ちの底からの言葉で実直に表現すること。
 これがなされたとき、作者の視線は読者の視線となり、強く訴えかけてきます。作品として力を持つのです。
 勿論それだけで優れた短編にはなりません。文芸の「芸」が必要になりますが、それ以前に大事なのは「視線の強さ」なのです。
 今回の候補作はどれも、中途半端な完成度、つまり「文の芸」で書かれた作品ではなく、欠点だらけではあっても、必死さが伝わってくる作品ばかりでした。そのことにまず、感動しました。
・・・『私の応募作品が候補作6編の中に1編でも入っていたとして、この書評ならば、頷けるし、心穏やかに読み進めることが出来るのだが、果たして落選3編の中に私の応募作品は入っているのだろうか。高樹さんは読んでくださったのだろうか?』と思いつつ続きを読み進める。・・・
 大賞に選んだ「穴のあいた軍手」は、市役所で非正規職員として働き、夜も病院の地下3階にある給食センターでアルバイトをしている女性の切ないまでの「視線」が印象に残ります。毎年の丑の日にはウナギを食べたいけれど、なかなか手が出ない。スーパーでは時間が来れば半額になる。さらに売れ残れば半額の半額になる。それを待っているけれど、他の客に買われてしまう。毎日13時間働いても、丑の日にウナギが買えない。志賀直哉の名作「小僧の神様」を思い出しました。溢れる気持ちが先走りして手が追いついていませんが、それでもグサリと強いものが伝わってきました。小説の力です。
・・・この大賞作品「穴の空いた軍手」は明日の当ブログに転載させて頂くことにしますが、問題点が2つあります。
ひとつは、新聞に掲載された短編小説をブログに転記して著作権問題が発生するのかどうか、という点。
もう一つは、その書評を私がここに書いても、難くせにしか受け取れられないのではないか、という点。
前者に対しては、新聞社に問い合わせをしようかとも思いましたが、それこそ落選者の嫌がらせと受け取られかねないので、止めました。
日々に消えて行く新聞記事のコピーをブログに転載して反響がもしあれば、その過去の新聞が後日に売れることを意味しますから、これは「好事である」と勝手ながら判断させて頂きました。
後者に対しては、書評は書かないことにします。それこそ、負け惜しみとしてしか受け取られませんので。
しかし、頂けないのは、高樹のぶこさんの書評です。作者名が伏せてあっても、文章を読めば男性が書いており、給食センターでアルバイトをしているのは男性であることは明白なのにもかかわらず、『女性の切ないまでの「視線」が印象に残った』と書かれていたことです。高樹さんは、この作品を斜め読みにされただけなのではないかなと、不思議に思った次第です。
(新聞社事務局も、うっかりチェックを怠っておられる?)

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2015年6月 1日 (月)

中国短編文学賞「小説を書く秘訣(ノウハウ)」高樹のぶ子先生へ。Hiro. Oyama

 「小説を書く秘訣(ノウハウ)

 こんな題名で果たして短編小説になるのでしょうか?

きっとあなたはこう思いつつ この短編小説を手にされていると思います。違いますか。
もし最後まで立ち読みして、『ウン、確かにその通りだな』とお思いなら、既に内容は立ち読みで知っているはずなのでしょうが、あなたはこの短編小説集を“きっとお金を出してお買いになるだろう”と予言しますよ。
 何故ならば、あなたはこの本に目が留まるずっと以前から『小説家になれたらなあ。いつの日か小説家になってやろう』と思っていて小さい頃から夢を抱きつつ何回か、何冊かの小編を書いた経験があるからなのです。
 小中学生なら『作文を書いたことがある』からこの本を手にしているはずなのです。

 私はガチガチの理論家なのです。はっきり素性を明らかにしますと、広島大学の理学部物理学科を卒業後、新しい技術や製品、あるいは他の人が後でびっくりすると同時に妬ましく思うようなことを研究開発し続けてきたのです。
 こんな題で「小説が書ける本が書ける」なんて、私自身考えたこともありませんでした。
でも今は違います。『きっとこの小説はベストセラー小説とまでは行かずとも、確実に 何年も何10年間にも渡って根強い購読者を獲得するだろうことを確信しているのです。

 私は、今日(2015 1/20)、中国新聞社主催の「短編小説募集用原稿」を書き終えたところです。
たった一編だけ書いたのなら、あるいは二編か、三編を書き終えただけならば、こんな大それた応募用原稿「小説を書く秘訣」なんて短編小説はオープンしませんよ。
ノウハウとして、あるいは秘伝(秘訣)として大事にとっておき、このノウハウを使って、新進小説家として荒稼ぎし名声を獲得するのが“一番楽で楽しいお金の稼ぎ方”ですもんね。
 多分なのですが、想像するに多くの小説家の方々、あるいは評論家の方々、更には小説を審査なさる関係者の方々は、この秘訣を薄々は知っておられる《気が付いておられる》のではないかとも邪推しています。違いますか、高樹のぶ子先生?

 あ、ちょっとまずかったですね、先生のお心が私に伝わって来ました。

ノウハウ“審査委員をからかわない(おちょくらない)こと”
 
 そうなのです。自分が一番偉いと思っている人は二流どころか三流の作品も世に残せないのです。『審査員となられている先生方々よりも(ひょっとしたら)自分の方が優れているのではないか』と思ったら、その瞬間にあなたの小説家の夢は消えて無くなるのです。
小説家に限らず(何事においても)上には上がおられるものです。
かの豊臣秀吉でさえ、『自分がこの世の中で一番偉いんだ』と思い上がり、公言してはばからなくなったその瞬間から、凋落(ちょうらく)がはじまったでしょう、違いますか?
 何事も、更に上があるかもしれない、現在の私には、此処までの物しか書けませんでした。『諸先生方、よろしく御指導下さい。ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしく!』という祈り願う姿勢で原稿を提出するのが、小説を書く上で第一番のコツなのです。

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