S・・ スケーリング・・哲雄の講演メモ「新 ガリバー旅行記」

2012年6月22日 (金)

スケーリングについて-5【まとめ】

 小さいものから大きいものを設計する時、ただ幾何学的に拡大するだけではいけない。 必ず、物理学的スケーリングが必要となる。
そうすると何が大事か、何が重要視される世界か が、想像がつくようになる。

 場合場合によって、重力が支配的であることも、表面の効果が支配的であることも、全く予想もしなかった新しい引力が支配的であることも出て来る訳である。

 この様に科学ではハッキリ捉えられる事柄を基礎として、一歩一歩、その世界像 を広げている。
宗教的世界像と一致することは恐らくあり得ないけれど、それに近づくことをこそ、それを希求 することこそ、科学の一番大事な狙いである

 私(大山宏)は、『このような講演を学生時代に聞いていれば、もっと科学というものに大きな興味を抱いて研究に取り組めたのではないかな』と、この歳になって思った次第です。

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2012年6月21日 (木)

スケーリングについて-4【星は何故 球形?、世界観をも】

 以上、小人の国での変わった現象、【水にぬれた場合】【熱の問題】についてであったが、物理学上ではどんな問題があるだろうか?

 建造物の強さ = K【L^2】:断面積に比例する耐久力
 建造物の荷重 = k【L^3】
と、前に述べたと同じ関係となるから、とても高さ1万メートルの建造物は出来ないし、例え重力の及ばない宇宙空間に建築したとしても、それ自体の万有引力で内部に崩れてしまうだろう。

 天体に於いて、惑星あたりが最も簡単な形である球形を保っているのは、この理由による。
運動している場合は別として、全て重力が支配的となる。

 太陽の活動も重力で考え計算すれば、中心部分の温度が約2000万度であると推定出来、原子核反応が行われ、どの程度のエネルギーが放出されるか、
何年持続するかも、一応計算出来る。詳しくはガモフの「太陽の・・・」を見て下さい。

 惑星位の大きさでは  重力が支配的、
 小人やハエや”霧”などでは、表面の効果が支配的、
 もっと小さくなると  表面は凹凸で分からなくなる。
 原子の世界では、電気的引力、核内の引力が大きく支配する

物理学で研究する場合、
 物理量の大きさの程度を決めると共に、
 スケーリングの考察が必要となってくる。

 今までの物理学で思いがけない発見がなされた訳は、
1)、並み外れたバカでかい実験装置を造ったことによる。
2)、超高速、微速、超高温、極低温と並外れた状態に興味を持ったため。
普通では余り目立たないことでも極端な状態にすると 判然と現れることによる。

 人類の作り得る限界は、人間の世界観に支配されます。
身長の1万倍から、1万分の1までを越えない物理学では、宇宙から原子の世界まで覗くことが出来、その結果、人間の世界観をも、より大きくしている。

-- ( まとめ に続く ) --

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2012年6月20日 (水)

スケーリングについて-3【小人の国では ぬれ鼠だらけ?】

 次に小人の場合であるが、変わった現象として、まず初めに【水にぬれたとき】について考察する。
プールから人が上がった時、同じ厚さの水が付いているとすると、その水の量は体の面積に比例するであろう。

 【水の量】∝【表面積】∝【 L^2(長さの2乗)】

 一辺が2倍になれば4倍の面積になる。
頭なら頭の表面積についても、体の各部分について同じことが言えると思う。

  【ぬれた水の量/体積】 ∝ 【 L^2/L^3】=【 1/L 】

人間の場合コップ一杯位の水となるから、1%までの数値となるのに対して、
身長12分の1の小人では、体重の12%  ・・
 重い冬の外套位の量となる!


 蠅(ハエ)の場合だと、身長1cmとして人間の180分の1となるので、蠅の体重の約2倍の水量となる。水からはい上がることが困難なのがよく分かる。


 変わった現象の2番目として、体の表面から逃げる熱の問題 がある。

熱損失(逃げる熱エネルギー) ∝ 【 L^2 】
これを補う最小の必要な食事量 ∝ 【 L^2 】
であるから、
     男一人       :   小人(1/12)
小羊の足1本+パン1塊 : 【(1/12)^2】 の量
( これで2,3日保てる ) :( これで2,3日保てる ) 

 ところが、小人の国ではすべて【1/12】となっているのだから小羊もパンも【(1/12)^3 】になっている。

 従って、【(1/12)^2】 の量とは、
12本の小羊の足と12個のパンということになる!
 だから、小人 は落ち着かなくて、いつも腹をすかせていて、
活動的で、ちょっと上品ではあるが”ぬれ鼠(ネズミ)”になり易い。
ちょうど”ハツカネズミ”的 となる。

 全くハツカネズミ はしょっちゅうチョロチョロし、何かを食べている。
体温を保持するに必要な熱源である食糧をあさっているからである。

気温より高い体温を持つ温血動物で、廿日鼠(ハツカネズミ)より小さいものが無いのは、実にこのためと考えられる。
例え生きていたとしても莫大な食糧を集めなくてはならぬし、それを消化しなければならないから早く死んでしまう。

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2012年6月19日 (火)

スケーリングについて-2【巨人の骨に掛る負担は12倍?】

 ここで問題となるのは、『骨の耐えうる力は断面積に対して比例するのに対し、支えられるべき体重が肉や骨の総量即ち体積に比例すること』である。

巨人の身長もガリバーの12倍であると共に、横も幅も12倍であるから骨の強さは[12^2倍]即ち144倍、体積は[12^3倍]即ち1728倍となる。

 【(体重)/(骨の強さ)】 は人間の場合[1]、であるのに対し、巨人の場合は[12]となる。同じ断面積の骨に対して12倍の荷重がかかることになる。
言いかえると、巨人は自分の体を支えるために、我々が11人の人を背負っているのと同じ負担が、骨に掛ることになる。

 これは話は違いますが、
私が昨年正月に病気で学校を休み皆さんに御迷惑を掛けたこと2年の皆さんは御承知の通りですが、病気が治り始めると体重がどんどん増して みたいに太ってしまいました。前には60Kg越えたことがないのに恐らく、70~80Kgになったのでしょう。子供が[1.5倍]位だと言ってましたから、もっとだったかも知れません。
 そしたら、足がだるくて仕方ありません。

 それから痩せるように御飯を減らしたり等して、65Kgまで減ってもまだ足の疲れがひどかったのを忘れる事が出来ません。
家内(澄子のこと)は「太ったからですよ。仕方ありません。御飯の量を減らしなさい」と全くすげない返事。 ビタミンを飲んだり、足を椅子の上に挙げて休息ばかりしなければなりませんでした。

 今もニヤニヤしていらっしゃる先生が居られますが本当に足がくたびれました。
余談になりましたが、実際、鹿科の近い2種の動物である[カモシカ]と[野牛]の骨を比較して見ますと、長い方の足は長さの割合に比べてずっと太くなっています。

 このことについて ガリレオ は、
巨人の骨格を普通人のそれと単なる相似的な拡大だけということにしたならば、ずっと丈夫な硬い材料で骨を作るか、さもなければ巨人が普通人よりも弱くてよいとするしかない。 もしも身長を法外に大きくしたなら、彼は倒れて自分の体重でつぶれてしまうだろう。
 反対に
小人を作るとしたら小人の強さは身長の割には減らない。
実際、体が小さければ、【身長に相対的な強さ】は返って増加するのである。こういう訳で
小犬なら自分と同じ大きさの小犬をおそらく2、3匹は背負えるだろうが、は自分と同じ大きさのを一頭だって運べないに違いない。」

 と言っている。

 実際、蟻が自分の体の数倍・数十倍の獲物を運ぶことや、
  ノミが身長の何10倍も飛ぶことが出来ることや、
 象が非常に不格好な手足をしていることがこれで納得できる。

   -- 続く --

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2012年6月18日 (月)

スケーリングについて-1(ガリバー旅行記・新科学対話・・・・)

 ”スケーリング”とは”スケール”が大きくなった時どうなるか小さくなった時どうなるか 見当することです。
人間でも物体でも、長さが縦も横も高さも2倍になった時どうなるか、といった問題を扱うのが”スケーリング”です。

 こう言いますと皆さんの頭に出て来るのは,小さい頃に読んだ”ガリバー旅行記”の事を思い出すでしょう。  あの小人の国(リリプト国)では全てのものが[1フィートが1インチ]の割であったというのですから、縦も横も(1/12)であった訳です。

 ガリバー自身の身長を[1m80cm]としますと,小人は約15cmということになります。
又、巨人国(ブロブディンナグ国)の巨人は身長がガリバーの12倍あったと書いてあります。
小人の国も巨人の国も身の回りの全ての物がその割合で小さかったり大きかったりしたとありますが、そういうことが有り得るか否か、考えて見たいと思います。

---(このお話は私の父哲雄が、今から約60年前に何かの講演の折に話したものです。余りに感動的且つ解かり易い内容だったので,このブログで紹介しています)---
 
 このことについては”ガリバー旅行記”を描いた著書スウィフト よりズーッと以前に、ガリレオ・ガリレイが”新科学対話の中でハッキリ示しています。
新科学対話 というのは、科学者とその友人との対話の形で書かれています。その友人は馬鹿というほどではないのですが、科学を生かじりした80%ぐらいの友人です。
その本にこういう所があります。

 その80%の友人が言うに、「”幾何学”では三角形にしても大きさだけ変えても形は同じなのだから、実際問題として円とは三角形とか、或いは円柱・円錐その他どんな図形にしたって大きさにより形が違うとは思わないのだが、どうだろう?」
これに対して科学者は、
「よくそういう意見を聞くのだが、大きさが変われば形が変わるというのは本当 なんだよ、絶対に!」と答えている。

 ガリバー旅行記の著書スウィフトが若しガリレイのこの本を読んでいたらガリバー旅行記も一寸変わったものになっていたに違いない。
どういうことになるか、先ず巨人の国について調べるのであるが、その前に一つ準備をしよう。
 ここに一本のロープがある。このロープは普通の人が一人で引っ張ったら、かつかつ切れない(切断寸前の状態で耐え得る)としよう。
すると二本のロープにすれば2人の人が引っ張るのに耐えられるだろう。
他の材料であっても断面積が2倍なら2倍の力に耐え得るであろうし、押す力に対しても同様のことが言える であろう。

 即ち、柱や筋交い(すじかい)は勿論、人間や動物の骨についても同様のことが言えるであろう。
--(続く)--

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